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菊之助、亀三郎、松也、梅枝が意気込みを披露~平成27年度松竹大歌舞伎(秋季巡業)

 11月1日(日)から始まる「 平成27年度 松竹大歌舞伎」(秋季巡業)。演目は、鳥売りの夫婦と鳥刺しが魅せる艶やかな長唄の舞踊『教草吉原雀(おしえぐさよしわらすずめ)』、江戸の市井の人々の喜怒哀楽を生き生きと描いた世話話の名作『魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)』。公演に先立ち製作発表が行われ、尾上菊之助坂東亀三郎尾上松也中村梅枝が意気込みを語りました。

【尾上菊之助】
 高祖父にあたる五代目菊五郎が、河竹黙阿弥と創った『魚屋宗五郎』。音羽屋にとって大事な演目であるとともに、歌舞伎界にとっても財産の演目となっています。今回は(市川)團蔵さんをはじめとして若いメンバーで、北は北海道から南は九州まで全国各地を回らせていただくチャンスをいただけたことに非常に感謝をいたしております。
 父(尾上菊五郎)から『魚屋宗五郎』を継承するということで、身の引き締まる思いがしております。この機会を大切にして、世話物の面白さを伝えられればいいなと思っております。

 『魚屋宗五郎』は江戸の市井の人達の生活を描いた狂言です。時代劇に近いので、肩の力を抜いて江戸の市井の人達の生活をご覧いただきたいと思っています。
 前半は、妹を殺されて沈痛な面持ちで帰り、家族が仕返しに行けというにもかかわらずそれを押さえる芯の通った兄。後半は禁酒を破って、どんどん酒乱になっていく様というものをどれだけ自分が体現できるかというのがカギになってくると思います。どれぐらい酔えるのか、自分でも楽しみにしています。

 江戸時代の匂いを体から発するというのは一度や二度では中々到達できるところではありません。今回は、團蔵のお兄さん以外は全員が初めてなので、全く更の状態から作っていきますが、團蔵のお兄さんがいらっしゃるということで一公演、一公演、必ずお言葉をかけてくださると思います。この巡業中に少しでも体から江戸の匂いが発せられるような『魚屋宗五郎』を作って行きたいと思っております。


【坂東亀三郎】
 久しぶりの巡業です。菊五郎劇団とその仲間で、中々歌舞伎を生で見ることが出来ない方達のもとに行き、歌舞伎を楽しんでいただけるように一生懸命頑張りたいと思います。
 『吉原雀』では、私と松也さん、梅枝さんの三人で華やかに幕開けを彩りたいと思っています。『魚屋宗五郎』では、家老浦戸十左衛門を勤めます。父(坂東彦三郎)や、劇団の先輩(市川)左團次のお兄さん、(坂東)三津五郎のお兄さん達が大事にしてきた苦労を、今の年齢の僕で勤められるかどうかわかりませんが、父から一生懸命継承して勤めていきたいと思います。


【尾上松也】
 巡業は二度目でとても楽しみです。序幕に、亀三郎さん梅枝さんと一緒に『吉原雀』をさせていただきます。最初にお客様にご覧いただく演目ですので、まずは楽しく華やかに踊りたいと思います。
 菊之助お兄さんの初役で挑戦される『魚屋宗五郎』に磯部主計之助として出演させていただけること本当に光栄に思っております。今回は最後に主計之助が出て来ることで、宗五郎の思いが救われ、お客様の気持ちも少し軽くなると思います。これまで拝見してきた先輩方の芝居をイメージしながら、そこに至るまでの背景をしっかり腹の中に入れ、主計之助としての役割を果たせるように勤めたいと思っています。


【中村梅枝】
 『吉原雀』は、とにかく明るく3人でお客様に楽しんでいただけるようにと思っております。我々演者もあまり肩肘を張らずに、お客様も肩肘を張らず見ていただけるような、幕が閉まった時に楽しかったねといってもらえるような踊りになればと思っています。
 『魚屋宗五郎』のおはまは、家の父(中村時蔵)が菊五郎のおじさまと幾度となく組ませていただいているお役です。それを息子である菊之助のお兄さんとペアを組んで出来る、こんな光栄なことはございません。時代に生きている世話女房としての雰囲気というのもが出せるように頑張りたいと思います。