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第二十九回「四国こんぴら歌舞伎大芝居」出演者らが意気込みを語りました
平成25年4月6日(土)より、旧金比羅大芝居にて、第二十九回「
四国こんぴら歌舞伎大芝居 市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露が開催されます。公演に先立ち、出演者らが意気込みを語りました。
【市川猿之助】
金丸座は3回目、三年ぶりになります。こんぴら歌舞伎は今回で29回を数えますが、こうして続いているのはお客様、そして地元の方々の協力があってのことです。前回伺ったときには、舞台で使うために、地元の方々が裏の山から竹を切り出してきてくれて、こうしたこんぴらならではの連携プレー、人の暖かさがあるからこそ良い芝居が出来るのではないでしょうか。ここで襲名を披露させていただくのは大変有難いことですし、一人でも多くの方に、琴平の町の素晴らしさとともに、お芝居をたのしんでいただけたらと思っております。
『奥州安達原』は、八千代座、内子座、相生座といった古い芝居小屋で上演したときに、とてもウケが良かったんです。三代目猿之助の型というのは地芝居の型を採り入れているので、こうした劇場ではさらに情感が伝わりやすのだと思います。『義経千本桜』はどうしてもケレンのほうに注目されがちですが、金丸座はお客様との距離が近いので、より内面性が強調されると思います。宙乗りがどういう形で実現するか・・・建物が重要文化財で、釘が打てないなどの制限もあるので、いま試行錯誤しています。
こんぴら歌舞伎ではお練りで皆様が「お帰りなさい!」と声を掛けてくださいます。また来年も来てよ、と言われるように面白い舞台にしたいと思っています。同じ4月に歌舞伎座が再開場します。一番新しい劇場と江戸時代から残る古い劇場とで、同時に歌舞伎が開催されているというのは、日本の演劇界にとって、とても象徴的なことだと思いますし、歌舞伎の素晴らしさ、魅力を改めて感じています。

【市川門之助】
私は2年ぶりの出演です。『奥州安達原』は大好きなお芝居で、金丸座には凄く合っている演目だと思います。金丸座のような芝居小屋の舞台に出て、主人公が興奮しながら演じているのを見ていると、後ろでじっと控えていなくてはいけない役なのに、つい一緒に暴れ出したくなってしまいます(笑)。それくらい興奮が良く伝わりますから、客席にも熱気が凄く伝わります。皆様と一緒に良い舞台を作るのが楽しみです。
【市川右近】
四代目の猿之助ご襲名の晴れやかな舞台に、少しでも彩りとして花を添えられればと懸命に精進する覚悟です。金丸座は今回初めてですが、臨場感、お客様との気のやりとり、そういうものを肌で感じやすい劇場なのではないかと期待しております。私事ですが、実は蕎麦粉アレルギーで、蕎麦が食べられないものですから、大のうどん好き!そちらのほうも楽しみに伺おうと思っております。
【市川笑也】
夜の部の『京人形』で京人形の精を勤めさせていただきます。実はこのお役、設定が人形なので「瞬き」ができないんです。ですから演じていると、自然と目がウルウルとしてきて涙がこぼれてしまうことも・・・金丸座はお客様との距離が近いので、その目のウルウル感もきっと間近でお楽しみいただけると思います。琴平の町の温泉に入るのも今から楽しみです。
【市川猿弥】
こんぴら歌舞伎には2度目の出演になります。お練りがとても良いんですよね。前回は残念ながら雨天でアーケード街だけのお練りでしたから、今回は天気が良いことを期待しています。私の場合、金丸座のように客席と舞台が近いと逆に緊張します。風が強く木の窓がガタガタ音をたてていたので「お客さん聞こえているかな?」と思っていたら台詞がわからなくなって・・・天気が良いのがいいですね(笑)。
【市川笑三郎】
ここ2~3年、「やっと」と思う事に出合うことが多ございますが、その中の1つが、この金丸座での四国こんぴら歌舞伎大芝居に初お目見得させていただく事でございます。29回という長い歴史がございますが、やっと長い念願がかなったという思いと、自分たちもそうした責任のある立場にやっと足を踏み入れてきた、しっかりやらなくてはという思いがいたしております。
【市川春猿】
昼の部では『鳥辺山心中』で遊女お染、夜の部では『京人形』の井筒姫を勤めさせていただきます。四代目猿之助さんの襲名という大きな舞台で、このような大役を勤められるのは、身に余ることです。どちらも初役ですが、客席と舞台が近いものですから、お客様の熱気や息遣いに、役者のほうも助けていただけるのではないか、そう期待をもちながら頑張りたいと思います。
【市川月乃助】
『義経千本桜 四の切』では駿河次郎を勤めますが、20年前、三代目猿之助の『四の切』で抜擢していただいた想い出深いお役です。そして今回、四代目の襲名で、同じ役を勤めさせていただけるのは大変光栄な事です。昔ながらの芝居小屋の匂いを感じながら、お芝居を演じられるのがとても楽しみです。

