Home > トピックス一覧 > 歌昇・種之助が意気込みを披露~「第一回 双蝶会」

トピックス

歌昇・種之助が意気込みを披露~「第一回 双蝶会」


 8月24日(月)、25日(火)に国立劇場小劇場で開催される、中村歌昇 中村種之助 勉強会「第一回 双蝶会」。
公演に先立ち、歌昇・種之助が意気込みを披露しました。

【中村歌昇】
 兄弟念願の勉強会を開催させていただくことになりました。私は『彦山権現誓助剱 毛谷村』で毛谷村六助を勤めます。愛嬌が求められるお役ですし、時代物、世話物、様々な要素が詰まっていて、勉強をさせていただくという意味でとても良い演目だと思います。
 また私自身、六助という人物に憧れがあり、強い男でありながら、親孝行で優しさも持っている、強さも柔らかな味もなければいけない難しいお役です。父(中村又五郎)から六助は彦山という田舎の出なので、純粋な人だということも心に持って勤めるようにと教えていただきました。

 こうして勉強会を開催するには、衣裳さん、床山さん、大道具さん、小道具さん、照明さんなど、多くの人や多くの事を全て把握しなければなりません。しかし、それらを知ることで見方も変わり、舞台全体のことを考える上で、凄く良いことだと思います。又、いろいろな方が後押しをしてくださったことも本当に嬉しく思っています。
 (中村)吉右衛門のおじ様の芸を少しでも教えていただきたいという気持ちが強く、この会を開くのも、その思いからです。おじ様からは、様々なことをやってみなさいと仰っていただいているので、相談をしながらこれからも続けていきたいと思っています。

 弟と私は真反対、私はどちらかといえば神経質で、弟は大らか、本当に誰からでも可愛がられていて、そういう面が舞台にも出ていると思います。ここ最近はより一層、一緒に出演させていただく機会も増えましたので、本当に負けたくないという思いが強くなりました。
 日頃からお世話になっている先輩方にこうして出演していただくというのは本当にありがたいことです。一回目ということで、今年は多くの先輩方にご出演いただきますが、基本的には我々兄弟、そして父や播磨屋のお弟子さんとともにやっていきたいというのが、一つのコンセプトとしてあるので、来年以降はきっとそういう形になるのではないかと思っています。


【中村種之助】
 勉強会をさせていただけること、大変嬉しく、皆様に感謝いたしております。この勉強会を通じて皆様には我々二人を覚えていただき、これからの本興行のお役にも生かしていけるように頑張っていきたいと思っています。
 また、多くの先輩方にこのように出演していただくようになるとは、当初は思いもよらないことでしたが、今は緊張感そして、ぶつかっていくという恐怖感と同時に、嬉しさ、ありがたさを感じています。

 『船弁慶』は父が歌昇、又五郎と二つの襲名で上演しています。歌昇襲名の映像を見て感動し、又五郎襲名では四天王のひとりとして出演させていただきました。大曲で私に限らず皆が憧れる作品ですが、静御前では普通の女方の踊りとは違って舞に近い難しさがありますし、知盛では暴れないようにと教えていただいています。
 父や(市川)染五郎お兄様のように『船弁慶』をなさっている方にぜひ出演していただきたいと思ってはいたのですが、いざ二人が舞台の上で見ているかと思うと、「何でお願いしちゃったんだろう」と思っています(笑)。

 演目を選ぶ上では父のことを考えます。ずっと「お父さんに似ているね」と言われ、また「お父さんは上手かったよ」と比べられることもあります。そういう意味でも父の影というのは、私の中にずっとあり、演目を選ぶ上でも大いに関係しています。
 また、兄は熱く、いつも思いを直接舞台にぶつけることのできる凄さを感じています。私はどちらかというと考えてしまうことも多いので、兄のように表現できるようになることも目標の一つです。そして、吉右衛門のおじ様や、父のような俳優を目指し、少しでも近づきたいと思っています。


公演情報は 「燿の会」のオフィシャルホームページをご覧ください。