Home > トピックス一覧 > 孝太郎、亀三郎、亀寿が意気込み~国立劇場6月歌舞伎鑑賞教室『壺坂霊験記』

トピックス

孝太郎、亀三郎、亀寿が意気込み~国立劇場6月歌舞伎鑑賞教室『壺坂霊験記』


 6月2日~24日、国立劇場では 歌舞伎鑑賞教室『壺坂霊験記(つぼさかれいげんき)』が上演されます。
 公演に先立ち、女房お里役の片岡孝太郎、座頭沢市役の坂東亀三郎、また、解説「歌舞伎のみかた」に出演する坂東亀寿が出席して記者会見が行われ、あわせて6月19日(金)に開催される「 Discover KABUKI-外国人のための歌舞伎鑑賞教室-」への思いとともに意気込みを披露しました。

【片岡孝太郎】
 『壺坂霊験記』は松嶋屋にとって大切な狂言で、祖父(十三代目仁左衛門)も多く勤めておりました。伯父の秀太郎にお稽古をしてもらいましたが、亀三郎さんに沢市のセリフを付けているのを聞いていると、祖父を思い出して、涙がでそうになりました。伯父が教えてくれた、沢市・お里にどこまで近づけるか、二人で一所懸命がんばります。

 久しぶりの歌舞伎鑑賞教室、若い方々の前でお芝居ができることを楽しみにしています。義太夫狂言ですから、字幕を見て言葉が拾えたら、面白みも倍増しますし、義太夫の語りで俳優が動いている、その辺りをみていただけると、より分かりやすくなると思います。面白いとこがあれば笑って、良いと思ったら拍手をして、ぜひ楽しんでください。

 6月19日には、「Discover KABUKI-外国人のための歌舞伎鑑賞教室-」が開催されます。海外からのお客様が増えているなかで、しっかりとした歌舞伎を、短い時間で見ることのできる、貴重な機会です。世界でも珍しい、男が女を演じる“女方”を楽しんでいただき、これをきっかけに歌舞伎に興味を持っていただければと思っています。


【坂東亀三郎】
 座頭沢市を勤めさせていただきます。孝太郎のお兄さんとは、プライベートでも仲が良いので、これから二人で素敵なお里・沢市を創っていきたいと思っています。夫婦愛のお芝居ですが、メールのある現在とは全く違っています。そこに時代があり、男女の関係があり、現代とは違う感覚を持って見ていただければ、さらに楽しんでいただけると思います。

 歌舞伎は鬘や衣裳によって役柄や時代が表現されていたり、小道具や大道具、義太夫や黒御簾の音楽、背景や空間など、きっと何か一人一人に“はまる”ポイントがあると思います。“話を理解しなくては!”と思わずに、まずは楽しんでいただき、これをきっかけに二度・三度と劇場に足を運んでいただければと思っています。

 海外でその国の文化に触れるイベントに参加した際、「ああ、こういうことが日本の文化でできたら面白いだろうな」と思っていたので、「Discover KABUKI」のような大きなプログラムの第一回に参加させていただけることを、誇りに思い、また責任も感じています。劇場で、ライブで見ていただければ、必ず何か感じていただけると思います。日本のすばらしさ、魅力をぜひ楽しんで下さい。


【坂東亀寿】
 今回久しぶりに「歌舞伎のみかた」の解説を勤めさせていただきます。歌舞伎を初めて見るお客様がとても多いと思うので、砕けすぎず、堅苦しくもなく、分かりやすい解説を目指したいと思っています。今回は女方の扮装と演技がテーマで、男性の俳優が女方の格好になるまでを舞台の上お見せします。お化粧をして、衣裳をつけて、鬘まで、きっと皆さんに楽しんでいただけると思いますし、お客様にも舞台に上がっていただき、ちょっとした演技もしていただく予定ですので、そこにも注目していただければと思います。

 初めて「Discover KABUKI」のお話をうかがって、これは面白い!と感じました。台本も読みましたが、いろいろ大変、これがどうなっていくのか、どう面白くしていくのかは、私と春香クリスティーンさん次第!今回面白くなかったら、2回目は無いだろうと兄に言われているので、後に続くようにがんばろうと思います(笑)。