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「第11回伝統歌舞伎保存会研修発表会」出演者らが意気込みを語りました


 平成24年12月15日(土)、国立劇場大劇場で「 第11回伝統歌舞伎保存会研修発表会」が開催されます。
 今回は『鬼一法眼三略巻』大蔵館奥殿の場の上演。一條大蔵卿長成を中村歌昇、吉岡鬼次郎を中村隼人、鬼次郎女房お京を中村種之助、常盤御前を中村米吉が勤める楽しみな舞台です。
 公演に先立ち、出演者らに加え、中村吉右衛門(監修・指導)、中村梅玉(指導)が意気込みを語りました。

 

【中村吉右衛門】
 『一條大蔵譚(鬼一法眼三略巻)』はとても思い出深い狂言でございます。私が「木の芽会」という研究会を幸四郎の兄とはじめてやりましたのは15歳の時です。その頃は中村屋のおじさん(十七世中村勘三郎)がずっと大蔵卿を勤められていて、これは初代(中村吉右衛門)が当てた役なのだからやらなくてはいけないと言われ、初めて勤めさせていただきました。ところが第一声を発するときになって、"えらいことをした"と、本当に思いました。15歳でこんな役を皆さんの前でやっていいのか、出来るのか・・・その瞬間もの凄く焦りましたが、その気持ちが勉強会で得た一番良いものだったのではなかったかと思います。
 今回はお弟子さん達というよりも御曹司、お父様が役者さんという方に勉強してもらいます。先人たちが創り上げた芝居の役をやるという怖さ、皆にそういう思いをしっかりと胸に受け止めて次代の歌舞伎を背負ってもらいたいという思いでございます。また本興行の稽古の時からもよく芝居を見て、公演を一緒にやることで分かる、空気といいますか、そういったものを少しでも吸収してくれればいいなと思っています。

【中村梅玉】
 歌舞伎というのは、いわば伝承の芸です。若い頃様々な勉強会に出させていただいたりすることで、徐々に身体にそういうものが身に付いてきます。今は我々の世代が後輩達に伝えなくてはならない時期だと思っておりますし、「研修発表会」を開催することは、伝統歌舞伎保存会にとりましてもとても大切な事です。皆さんのご協力のもとこれからも引き続き開催ができますよう、大勢の方に足をお運びいただきたいと願っております。


【中村歌昇】
 今回「研修発表会」という機会をいただき、自分がずっとやりたいと思っていた大蔵卿を勤めさせていただけるのは本当にありがたく、皆様に感謝致しております。せっかく勤めさせていただけるのですから、少しでも役を身体の中に取り入れることができるように、必死に15日の舞台に向けて精進していきたいと思っています。

【中村米吉】
 女方にとりましてとても大きなお役である常盤御前を、この歳で勉強させていただくことは本当にありがたい事と思っています。同時にとても大変であるということも感じております。一所懸命努力して、背伸びをして勤めさせていただきます。

【中村種之助】
 普段は立役を勤める事が方が多いのですが、今回の「研修発表会」では女方の大きな役であるお京を勤めさせていただきます。凄く嬉しくもありますが、今は不安と緊張でいっぱいです。教えていただいたことを精一杯勤めたいと思います。

【中村隼人】
 吉岡鬼次郎を勤めさせていただきます。普段はいただけないような大きなお役を「研修発表会」で勤めることになり本当に嬉しく思っています。15日に向けて毎日精進して精一杯舞台を勤めたいと思っております。