トピックス
歌舞伎座の新たな名所“屋上庭園”で「八月納涼歌舞伎」出演者が意気込みと願い事を披露しました
平成25年8月、歌舞伎座では「
歌舞伎座新開場柿葺落八月納涼歌舞伎」が上演されます。歌舞伎座の夏芝居として広く親しまれてきた「納涼歌舞伎」、新しい歌舞伎座では初めての公演となります。公演に先立ち、納涼にふさわしく俳優たちが揃いの浴衣を着てお目見えし、意気込みと七夕を前に短冊に書いた願い事を披露しました。
※各俳優のコメント内太字が願い事です
【坂東三津五郎】
4年ぶりの「納涼歌舞伎」を、新装なりました歌舞伎座で8月に上演させていただけることになりました。そしてそのイベントを、この新しく歌舞伎座にできた屋上庭園で、しかも屋上庭園を使ったイベントは初めてということで、大変嬉しく思っております。
この納涼歌舞伎をずっと引っ張ってきてくれた中村屋(十八代目中村勘三郎)が、新しい歌舞伎座での納涼歌舞伎を楽しみにしていたのに、残念なことになってしまったのは、既にご承知のとおりです。彼の分まで、その穴を感じさせないように、ここにいる7人で力をあわせ、一所懸命盛り上げていきたいと思っております。
「肩が痛くなりませんように」
今回『棒しばり』では、棒に縛られて踊る次郎冠者を勤めますが、前回のときには左の肩が取れそうなくらい痛くて・・・今回は、かかりつけのスポーツ医学のドクターから、準備体操をきちんと学んで勤めます(笑)。
【中村福助】
納涼歌舞伎は、我々このチームで勤めてきた大切な興行で、歌舞伎座が新開場を迎えても上演できることを有難く思っています。この度は勘九郎と七之助が、中村屋代表で力をいっぱい出してくれると思いますし、勘三郎の兄も必ず力を貸してくれることと思っております。狂言も、勘三郎の兄に縁のものが並びました。中村屋の兄の思いとともに勤めていきたいと思っております。
「歌舞伎を沢山の方に観て頂きたい」
8月は観劇料も少しお安くなっておりますし、歌舞伎を初めてご覧になる方にもとても分かり易いお芝居が揃っていると思います。何度も観て下さる方はもちろん、歌舞伎ってどんなものだろうと思っていらっしゃる方にも適した興行ですので、ぜひ沢山の方に観て頂きたいと思います。
【中村扇雀】
納涼歌舞伎のはじまる前は、歌舞伎座の8月は歌舞伎を上演していない月でしたが、それを若手で盛り上げ、ここまで続けて参りました。今年の演目は全て勘三郎の兄が得意としていた演目で、私は『狐狸狐狸ばなし』の伊之助・・・まさか私がこの役を勤めるとは夢にも思っておりませんでしたが、きっとお兄さんが力を貸して下さると思います。皆で力を合わせ、前へ前へと進んでいく私達の姿を皆さんにお見せしたいと思います。
「エージシュート」「満員御礼」「五大マラソン完走」
三枚書いてしまいましたが・・・「満員御礼」もちろんこれ以上の望みはございません(笑)。「マラソン」は以前東京マラソンを完走しましたが、自分が公演で伺った街のフルマラソンに出たいなという思いと、「エージシュート」はゴルフをやっている人には共通の目標ですので、それを書かさせていただきました。
【中村橋之助】
納涼歌舞伎は若い頃から中村屋の兄、三津五郎の兄をはじめ、皆さんに芝居の面白さ、作り方を教えていただく場であり、また大きな役にも挑戦できる場で、いつも楽しみにしておりました。この3年間、新開場する歌舞伎座で納涼歌舞伎がまたできるのかと大変心配しておりました。皆の心の中には勘三郎の兄の芝居造りの情熱が脈々と繋がっています。こんなに素敵な歌舞伎座ができて、あとは情熱ある舞台をお客様にお目に掛けるのが僕たちの使命であり、中村屋の兄への恩返しだと思っております。
「歌舞伎界がみんな健康で素敵な芝居が出来ますように」
真面目に書きました(笑)。健康に気をつけていただいて、良い芝居をしたい。それだけでございます。
【坂東彌十郎】
本当に感無量です。歌舞伎座で納涼歌舞伎がはじまり、その年から12ヶ月歌舞伎が行なわれるようになり、歌舞伎を一年中見られる劇場になった歌舞伎座、そこにまたこうやって帰ってきました。三部制というのも納涼歌舞伎で新しく始まったと思います。中村屋がいつも「俺たちチームだ」と仰っていましたが、すごく感慨深い言葉だと思います。「中村屋だったらどうするかな?」「OKサインをもらえるかな?」と思いながら舞台を勤め、そしてお客様からもOKサインを出して頂ける芝居ができるように、毎日努力致します。
「歌舞伎 増々の隆盛」
柿葺落公演が始まってこの3ヶ月、お客様が大勢きてくださいました。「柿葺落」という言葉がつかなくても、これからもずっと歌舞伎が大入り満員で続いていくように、願いを込めて書かせて頂きました。
【中村勘九郎】
この納涼歌舞伎は父(十八代目中村勘三郎)がとても楽しみにしていた公演です。歌舞伎座が閉場していた間の3年間、8月は新橋演舞場の「花形歌舞伎」に出演させていただきましたが、"納涼"という文字がやっと帰ってきます。今回、父が残念な事になってしまいましたが、父がこの歌舞伎座で一番最初に踊りたかった、そして、何度も踊りたかったであろう『鏡獅子』を、月の前半と後半での交替で弟の七之助と勤めさせていただきます。意志と魂を引き継ぎ、一所懸命千穐楽まで勤めたいと思います。
「納涼歌舞伎 サマージャンボ宝くじ 大当り」
そのままでございます(笑)。納涼歌舞伎が大当りになるのと、サマージャンボでとりたいなと思い書きました。
【中村七之助】
皆様が仰ってくれた父への思いを、きっと父も聞いてくれてとても喜んでいると思います。そして出演できない悔しさも一杯だと思います。「チーム」と皆様が仰って下さいましたが、私しもチームの一員として、戦力になれるように1ヶ月勤めて参ります。
「歌舞伎がますます発展します様に」
歌舞伎役者にとってのホーム、歌舞伎座ができ、これからどんどん歌舞伎の可能性が広がっていくと思います。やはり、ホームがあるということは強みです。さらに各地で歌舞伎公演が行なわれ、様々な方が観に来て下さることを、心から祈っております。

