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猿之助が「松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露」への思いを語りました


 7月1日(月)から始まる公文協東コース「 松竹大歌舞伎 市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露」。演目は歌舞伎十八番の内『毛抜』、四代目市川猿之助襲名披露『口上』、三代猿之助四十八撰の内『義経千本桜 川連法眼館の場』。上演に先立ち市川猿之助が公演への思いを語りました。

 

【市川猿之助】
 今年の公文協東コースで、北海道、東北、関東近郊を巡演させていただきます。特に福島県をはじめとする、東日本大震災にあわれた土地に伺ってお芝居をさせていただきますが、その意味をかみしめつつ、また、なかなか大劇場に足を運んでいただけない方々にも、大劇場と同じクオリティー、熱気、そして感動を味わっていただけるような作品を、少しも遜色のないように、勤めていきたいと思っています。

 三代目猿之助(猿翁)を語るとき、『四の切』(『義経千本桜 川連法眼館の場』)、『ヤマトタケル』、『黒塚』の3演目は外せません。その中でも物語的な感動、スケール、そして大劇場と同じ質の舞台をとなると、この襲名披露の巡業では『四の切』を上演するのが良いと思っています。ただ単に上演回数を重ねようという思いは全くありません。本当に演じたいという強い思いに加え、同じ作品を何度観ていただいても、その時の役者の年齢や、お客様の気持ちの変化で、その度毎に違う見方があるということも感じていただきたい。さらに、全国の方々に『四の切』を通じて歌舞伎の面白さを知ってもらいたい、この公演には様々な思いが重なっています。

 今回は中村梅玉のおじ様が義経を勤めてくださいます。3月御園座の襲名興行では、猿翁のおじが休演しましたが、そうした心細い中で、猿翁のおじの『黒塚』で阿闍梨を勤めた事のある梅玉のおじ様がいらっしゃったことは、とても心強いことでした。1人で歩いていると道を間違えてしまうこともありますが、そういう時に「そこはちょっと違うよ」と言っていただけるのは本当に有難いことです。今回も義経というお役で受け止めていただけることで、子どもが親の胸で安らかにいられるように、安心してお芝居をさせていただける、そういう強さを感じます。