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坂東三津五郎が会見を行いました


 「歌舞伎座新開場柿葺落 八月納涼歌舞伎」出演後、9月公演を休演して病気治療のため入院していた坂東三津五郎が、10月2日(水)に無事退院し、記者会見を行いました。

この度の入院加療によりまして、新橋演舞場九月大歌舞伎、九月末の歌舞伎座特別舞踊会を降板休演いたしましたことにより、ご来場賜りましたお客様、並びに代演をして下さった方をはじめとする共演者の方々、また関係各位の皆様に、多大なご迷惑とご心配をお掛けいたしましたこと、まずは深くお詫び申し上げたいと思います。

8月末日に都内の病院に入院し、9月3日に膵臓膵体尾部腫瘍(すいぞうすいたいびぶしゅよう)の切除手術を致しまして、無事にその手術は終わり、その後今日に至るまで術後の経過も非常に良好で、本日午前に無事に退院することができました。この後も通院の上、治療をしばらくの間続けなければならない、また体力の回復という観点からも、誠に残念ではございますが、11月の秋季巡業( 松竹大歌舞伎)、並びに12月の歌舞伎座( 歌舞伎座新開場柿葺落 十二月大歌舞伎)への出演を見合わせ、休演とさせていただくことになりました。

ことに秋季巡業につきましては、最初の企画の段階から積極的に意見を述べ、『野崎村』の久作、『江島生島』の生島新五郎と、両方初役で意欲的に取り組み、日頃なかなかお芝居をご覧になれないお客様に歌舞伎の楽しさをご理解いただこうと意気込んでおりましただけに、誠に残念でなりません。代演をして下さいます菊之助さん、彌十郎さんをはじめ、一座の面々がきっとピンチをチャンスに変えて、一丸となって良い舞台を勤めてくれると信じておりますので、どうぞ変わりないご声援を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。

今年の8月に納涼歌舞伎が4年ぶりに復活して、勘三郎さんがいらっしゃらなくなって、まさかここで僕までいなくなるというわけにはいかない、そういう思いを持ちながら舞台を勤めておりました。入院中は、二人の娘と妹たちが毎日のように見舞いに来てくれましたし、9月新橋演舞場に出演しておりました息子(巳之助)から、自分が出演するはずだった『御浜御殿綱豊卿』と『馬盗人』が無事に終わり、お客様に喜んでいただけました、と報告を聞いたとき、一番ほっといたしました。

今日まで50年間、舞台も休まず勤めて参りまして、今回の病で初めて休演ということになりましたが、すこし休んでゆっくりしろという天の啓示があったものと思い、しばらくの間は何も考えずに、療養に専念いたしたく思います。そして必ずや勇気をふるって病に打ち勝って、また皆様に元気な舞台姿をご覧頂けますよう、努力を続けて参ります。


あわせて、三津五郎が出演を予定していた、平成25年度「松竹大歌舞伎」(11月1日~25日)、歌舞伎座新開場柿葺落 十二月大歌舞伎(12月1日~25日)の両公演について、三津五郎の休演が発表になりました。平成25年度「松竹大歌舞伎」については、『新版歌祭文 野崎村』の百姓久作を坂東彌十郎が、『江島生島』の生島新五郎を尾上菊之助、中臈江島/江島に似た海女を尾上右近が勤めます。歌舞伎座新開場柿葺落 十二月大歌舞伎の配役変更については後日発表される予定です。