オフシアター歌舞伎『女殺油地獄』獅童が意気込みを披露

2019.03.26 発表・会見

 5月11日~29日、 天王洲・寺田倉庫と、 歌舞伎町・新宿FACEにて上演されるオフシアター歌舞伎『女殺油地獄』。主演の中村獅童、脚本・演出・出演の赤堀雅秋が意気込みを披露しました。

【赤堀雅秋(脚本・演出・出演)】
 3年前、コクーン歌舞伎『四谷怪談』に演出助手として参加し、その中で歌舞伎俳優の方々が魂を込めて歌舞伎を作っている姿に触れました。それまで歌舞伎とは距離感があると思っていましたが、自分たちがやっている演劇と魂や想いは変わらないということに触れることができ、貴重な経験ができました。今回、獅童さんに声を掛けて頂いたのは、私が映画でも舞台でも“人殺し”の話が多いからかもしれません。奇を衒わずに、現代を生きるお客様の心を揺さぶる作品を作りたいと思っています。

 『女殺油地獄』は普遍的で優れた戯曲です。経済至上主義の中で、波に乗れず落ちこぼれた人間の悲哀が出せればよいなと思っています。また、現代のお客様が理解できるように、台詞も分かりやすくしていますし、今回は客席と舞台の距離がとても近いので、“生々しい・生臭い”芝居を披露し、ライブ感を出せれば良いなと思っています。

【中村獅童】
 倉庫という場所や、混沌とした歌舞伎町で、歌舞伎をやってみたいという思いを以前から持っていました。こうした場所で、現代でも起こりえる“犯罪”を描いた、危険な演目を上演することに大きな意味があると思っています。客席を舞台の回り360度に配しているので、お客様にはぜひ“事件の目撃者”という感覚を感じながら観ていただきたいと思っています。

 荒川良々さんとは、昔舞台のオーディションで負けたことがあったり、映画「ピンポン」で共演したりと、凄く仲良くしていますし、(中村)壱太郎くんも、今回新しいことにチャレンジできるのを喜んでくれていて、私も共演出来ることを嬉しく思っています。赤堀さんは日常をリアルに描くのがとても上手で、そのリアリティーをもって『女殺油地獄』をやる、どんな化学反応が起きるか、今から楽しみです。

 主人公の与兵衛は、凶悪な犯罪者というよりは、むしろ“ぼっちゃん”・・・行動が裏目に出て、どんどんと悪い方に進んでしまいます。周りに流されて、揺れ動く少年を表現することが大事だと思っています。古典を守り革新を追求する、アナログにこだわった、獅童だからできるというスタイルを追い求めていきたいと思っています。