公文協「中央コース 松竹大歌舞伎」製作発表で白鸚・幸四郎が意気込みを披露

2019.02.13 発表・会見

 公文協主催の巡業公演「 中央コース 松竹大歌舞伎 二代目松本白鸚・十代目松本幸四郎襲名披露」(3月31日~4月25日)が上演されます。都内にて製作発表が行われ、松本白鸚松本幸四郎が公演への意気込みを語りました。

【松本白鸚】
 昨年、37年ぶりとなる高麗屋三代襲名をさせていただきました。今度は公文協中央コースで襲名披露をいたします。巡業は各劇場一日ですので、まさに一期一会、一日一日お客様との舞台を通しての交流なので、その場その場で一瞬一瞬を大事に勤めたいと思っております。

 まず、始めに口上をもってきました。最初に俳優が出て、皆さんにご当地の事や、襲名のご披露をご挨拶代わりにするのが良いのではないかと思っています。また、『車引』では松王を勤めます。度々させていただいており、息子とも染五郎時代にやったことございますけれど、お互いに幸四郎・白鸚と名前が変わってから初めての『車引』をお見せすることができて、大変光栄に思っております。

 襲名興行中は無我夢中でしたが、十代目はそれ以上だったのではないでしょうか。襲名を自分なりに決意したのは、染五郎という器から芸が溢れてしまっているので、幸四郎という器に変えたなら、またそこに新たに芸が詰め込まれるのではないかと思ったからです。それを着実に一歩一歩、十代目は成し遂げて、幸四郎の器になっているのではないかと感じております。

【松本幸四郎】
 一日限りの公演で、全国を廻らせていただきます。襲名披露興行は私にとりまして一生に一回のことです。また、ご当地の皆様がご観劇になるのも一日、その一日で少しでも歌舞伎に興味を持っていただき、また、現実とは違う時間を楽しんでいただく、その唯一の時間にしていただくことができるように勤めたいと思っております。
 また、この公演だからこそ出来ることとして、イヤホンガイドを毎日ご当地に到着しましたら、私なりにそのご当地にあわせた内容でお話しさせていただきます。それも含めて幕間も楽しんでいただければと考えております。

 『車引』の梅王は以前にも勤めておりますが、荒事は高麗屋代々が得意としており、襲名を披露させていただくお役としては、これ以上ない高いハードル、その上位の役だと思っております。
 『奴道成寺』ですが、曾祖父七代目幸四郎が上演したときの壺折の衣裳があり、それを身にまとっていつか演じたいと思っておりました。いずれにしても大事なお役ですので、私の第一歩を多くの方に観ていただきたいと思っております。