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中村吉右衛門が文化功労者に


 平成29年度の文化功労者が発表され、日本俳優協会専務理事・伝統歌舞伎保存会理事の中村吉右衛門が文化功労者に選ばれることが決定しました。

 この度、文化功労者とういう栄誉に浴させていただいておりますが、これも偏に初代中村吉右衛門、実父の初代松本白鸚、それから私を指導してくださいました諸先輩方、また応援してくださいました方々、このようなチャンスを与えてくださいました関係者の方々のおかげ様と厚く御礼を申し上げます。

 これからは文化に貢献するということで、後継者の育成に努めていかなければいけないと考えております。私が実父なり、初代なり、先人なりに教えていただいたこと、それらはそのまま名優が創り上げた“型”、演出です。それは素晴らしいものですから、教える立場としては、できるだけ自分が先人から教えていただいたことをその次に渡すということでございます。その中に多少、自分の考えも、演出も入ることもあります。

 若いころは、初代吉右衛門に追いつきたいという思いで毎日毎日やっておりました。このごろは、そこまで思い詰めてやると体が言うことを聞かなくなってきましたので・・・これは性格なのか、初代のことを思いすぎたのか、幕が開きますと全て忘れて熱中してしまう。どちらかというと素人っぽいといいますか、玄人の役者ではないなと自分でもよく思います。幕が閉まると息も絶え絶えという感じです。また、このごろは、歌舞伎役者という商売を自分の天職だと思って舞台を勤めようと思っております。