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幸四郎、福助、染五郎が日生劇場「二月大歌舞伎」への思いを語りました


 平成25年2月、日生劇場では「 二月大歌舞伎」が上演されます。松本幸四郎による『口上』から始まり、歌舞伎三大名作のひとつ『義経千本桜』から「吉野山」、そして河竹黙阿弥の代表作『新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)』を通し狂言として上演。
 出演は松本幸四郎、中村福助市川染五郎他。幸四郎による日生劇場での歌舞伎は2002年の『新・夢の仲蔵』以来10年ぶりとなる楽しみな公演です。話題の舞台に先立ち製作発表記者会見が行われ、出演者が思いを語りました。

【松本幸四郎】
 息子の染五郎が怪我から復帰し、このように2月に日生劇場で公演が行えるのは夢のようでございます。これも一重に皆様方の思い、お心が通じたのだと感謝しております。
 その感謝の気持ちを込めて、はじめに『口上』をさせていただこうと思っています。『新皿屋舗月雨暈』の宗五郎は何度か勤めさせていただきましたが、"通し"で勤めるのは初めてです。発端からの上演は珍しく、きっとこのお芝居の奥の深さをわかっていただけるものと思います。武家と町人がお酒をなかだちとして描かれる面白いドラマを、ぜひ皆さんに楽しんでいただきたいと思います。
 祖父の七代目松本幸四郎、母方の祖父の初代中村吉右衛門、そして同じ時代に活躍した六代目尾上菊五郎という3人の俳優を、私は大変尊敬しております。1月には 新橋演舞場で、七代目幸四郎が得意とした『戻橋』、初代吉右衛門がよく演じていた『ひらかな盛衰記 逆櫓』、そしてこの2月には、六代目菊五郎が得意とした『魚屋宗五郎』を勤めます。奇しくも3人の先輩俳優の芸を続けて勤めさせていただくことになり、とても有難く思っています。


【中村福助】
 幸四郎さんと共に、染五郎さんの復帰公演をご一緒させていただく事になり、こんなに幸せなことはありません。きっとエネルギーをいっぱい貯めていらっしゃると思うので、2月はさらに素晴らしい舞台になるのではないでしょうか。
 『魚屋宗五郎』のおはまは、先日お亡くなりになった中村勘三郎の兄ともご一緒した、非常に思い出深いお役です。きっと天国から応援して力を貸してくれると思います。


【市川染五郎】
 8月の舞台で怪我をして、皆様には大変ご迷惑、ご心配をおかけしました。しかし、こうしてまた『吉野山』では佐藤忠信実は源九郎狐、『新皿屋舗月雨暈』では磯部主計之助と、大きなお役をいただきましたこと、とても感謝致しております。
 もしかすると、自分は今ここにいなかったかもしれません。"生かされた責任と役目"というものを全うできるように、再び闘い続けたいと思っております。