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歌舞伎座二月大歌舞伎~菊五郎が思いを語りました


 歌舞伎座二月大歌舞伎で、通し狂言『新書太閤記(しんしょたいこうき)』と『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』に出演する尾上菊五郎が、舞台への思いを語りました。

 豊臣秀吉が天下統一するまでを描いた『新書太閤記』、今までも色々テレビや舞台になっていますし、祖父(六代目尾上菊五郎)が演じていたこともあって、いつかは歌舞伎風にやってみたいと思っていました。
 この作品の「どこが面白くて劇的か」を考え、こういう場面をやりたい、ここもやりたいと、打合せをしていると、自分が舞台に出ずっぱりになってしまって・・・DAIGO君の言葉を借りれば「K・T・O」、「こまった・とても・覚えられない(笑)」。

 私がやりたい秀吉は、「魅力のある人」、「人たらし」、そして本当に信長のことが好きだった人物です。どんどんと成り上がっていきますが、そこでの遺恨を1つ1つ解決しながら皆を味方に付け、難事件を乗り越えていく。秀吉の機転、発想の豊かさ、そして「人たらし」な面を出していきたいと考えています。

 竹中半兵衛を口説き落として物語が終わりになる事もありますが、信長は自分の家来にするよう秀吉に言いつけているのですから、半兵衛がいきなり秀吉の家来になってしまうと聞いても、承知しないと思うんです。それではつまらない、ここで“大逆転”をしたら、舞台が面白いんじゃないかと。原作に無い部分を膨らませて、場面場面に芝居風の“落ち”が付くようにしながら、これまでの太閤記で不思議に思っていたところに決着をつけています。

 『籠釣瓶花街酔醒』の繁山栄之丞は、以前成駒屋のおじ様(六代目中村歌右衛門)でやらせていただきました。やはり(十四代目守田)勘弥のおじ様が良かったですね。「間夫」で「銀流し」、それほど深く掘り下げずに、雰囲気として栄之丞が出ればいいんだろうけど、それが難しいんですよね(笑)。