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春猿、月乃助が意気込みを披露~三越劇場「納涼新派公演」


 平成26年8月三越劇場では、「 納涼新派公演』が上演されます。公演に先立ち記者懇親会が行われ、出演者が意気込みを語りました。

 

【波乃久里子】
私の大好きな、そして思い出深い『螢』を上演させていただきます。また春猿さん、月乃助さん、さらに弟(十八代目中村勘三郎)の友人でもある永島さんと初めて共演をさせていただきますこと、本当に嬉しゅうございます。私が新派に入って間もないころ、『螢』の“おきみちゃん”の役をやらせていただきました。ご一緒させていただいた大矢市次郎先生がとても怖くて、当時は良いお芝居だと思うことができませんでした(笑)。それから初代水谷八重子先生と柳永二郎先生の舞台、さらに、二代目中村吉右衛門兄さんと坂東玉三郎さんの舞台など、素晴らしい舞台を観て参りました。

みどころは、やはり“おしげ”と“おとき”の替わり目でしょうか。そして、昭和初期の下町風情いっぱいの世界にお客様を引き込みたいと思います。今回、玉三郎さんが、帯や資料をたくさん持ってきてくださいましたから、舞台で大切に使わせていただきます。また、久保田万太郎先生の美しい文章がリアルなものとして皆様に伝えられるよう勤めたいと思います。

市川春猿
新派公演は私のライフワークのひとつでもあり、身の引き締まる思いでいます。今年の1月に久里子さんの『明治一代女』で初めて立役をやらせていただきましたが、今回は『狐狸狐狸ばなし』の“おきわ”という女方ですから、少しホッとしております(笑)。このお芝居は、過去に多くの諸先輩方が上演されていて、その数だけ役者にはプレッシャーがかかります。それを乗り越えて、また新しい形で皆様に楽しんでいただける舞台を作り上げるのも、役者の使命だと思っております。

市川月乃助
この度、久保田先生の花柳十種の内のひとつでもある新派の名作『螢』の船木栄吉、そして『狐狸狐狸ばなし』の伊之助を勤めさせていただきます。『狐狸狐狸ばなし』は2009年の赤坂大歌舞伎で、勘三郎さんの伊之助で重善を勤めさせていただいた思い出深い作品です。お姉様の久里子さん、さらに親交のあった永島さんとの共演と聞き、きっと勘三郎さんのお導きがあったかのではないかなと感じています。勘三郎さんに感謝を捧げるつもりで、精一杯演じたいと思います。

【永島敏行】
とても緊張していますが、先入観を持つことなく、真っ白な気持ちで挑むつもりです。新派は大正・昭和という時代の情景や心情、恋愛というものを感じさせてくれるお芝居です。そうした時代の複雑な人間関係を描いた『螢』、そして『狐狸狐狸ばなし』という、観てくださったお客様に“非日常”を感じ楽しんでいただけるお芝居です。暑い盛りですが、来てくださったお客様に「とても良かった」「良い時間が過ごせた」と言っていただけるような舞台を創り上げていきたいと思います。