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海老蔵が意気込みを披露~1月新橋演舞場「初春歌舞伎公演」


 2019年1月の新橋演舞場は「 初春歌舞伎公演」。公演に先だち取材会が行われ、市川海老蔵が意気込みを語りました。

【市川海老蔵】
 本興行で、娘(堀越麗禾)、伜(堀越勸玄)と家族三人で一緒に舞台に立つのは初めてで、非常に父としてありがたいです。普段は自分のことだけを考えていればよいのですが、1月は子どもたちのことで冷や汗をかく瞬間も多々あるのではないでしょうか。娘には出演したいという固い決意があり、直談判もございました。伜も歌舞伎をやるという意識は明解です。今回勤める『幡随院長兵衛』の長松は、子役の中では大変難しいと思いますが、非常にやる気を持っているなと感じています。

 『三升曲輪傘売』は、シンガポールやロンドンでの公演の折、海外の人たちが小雨では傘を差さないという状況をよく目にしまして、その中で日本の和傘をもっと知っていただいて、活用できないかなとインスピレーションを持ち創った舞踊です。近代のマジックの要素も取り入れながら、体から20本近い傘がどんどん出てくるところも、一つの見どころではないかと思います。

 『牡丹花十一代』は、祖父の十一代目市川世團十郎が生誕百十年ということで、娘と伜の二人が踊るということが一つの眼目でございます。出演してくださる共演者の方々も多く、華やかな舞台を目指しております。

 平成25年1月に浅草公会堂で『極付幡随長兵衛』の長兵衛を勤めました。その折、父(十二代目市川團十郎)が病床におりまして、舞台稽古に来ることができず、舞台をDVDで見ていただいたり、手紙でのやりとりもあったりと、想い出に残っております。その公演中にTV電話で話をしたのが、父との会話の最後になってしまいました。
 父が長兵衛を勤めていたころ、後ろで子分として父の姿をみており、父の面影を感じるとても大きなお役です。父から教わったことをそのまま演じられるように努力したいと思っております。

 『俊寛』は初役で勤めます。素晴らしい作品ですが、実は舞台に出ていない部分が大事ではないかと感じています。そういう日本伝統文化の素晴らしい、舞台の上では出ていない部分で演じ切るというところに、実は胆があるのではないかなと思います。そしてまた、私の心境としても重なる部分もあり、舞台を通じて、それを実体験したいと感じています。

 『春興鏡獅子』は久しぶりに勤めます。新歌舞伎十八番という、市川家の演目でもあり、もう一度女方としての踊りを舞踊家の方とコツコツと見直して、演じ直そう、踊り直そうと心がけて、真剣に取り組みたいと思っています。

 私が歌舞伎に対して真剣に取り組もうと思うようになったきっかけは、祖父の白黒の映像を見たことです。あまりにも恰好いい男が存在して、その男は誰だろうと思ったら、実は私の祖父だった。私が男性に一目惚れしたのは、その後も一切ございません。そんな想い出もあります。


続いて、麗禾ちゃん、勸玄くんが加わり、囲み取材が行われました。
二人が揃って、「この度は、新橋演舞場で、立たせていただきます。お願いします」とご挨拶。

「三人で本興行の舞台に立つのは初めてなので、気の遣いかたが10倍くらいになってしまう」と海老蔵。続いて麗禾ちゃんが「舞台に立つのが楽しみ。(勸玄くんと一緒に出るのは)ものすごくうれしいです」と答えると、勸玄くんも「新橋演舞場は初めてで、ものすごくうれしいです」と答えました。さらに二人揃って『外郎売』の長セリフも披露!「セリフを覚えるのは楽しい、歌舞伎は大好きです」と麗禾ちゃん。

海老蔵が「6年間、新橋演舞場のお正月を任されておりますが、月日が流れ、6年前にはほぼ影も形もなかった二人がこのように“舞台に立つ”と自発的に言うようになって参りました。そういう子たちが頑張っている姿を多くの方にご覧いただければ楽しんでいただけるのではないかと。お時間ございましたら、新橋演舞場へお越し下さい」とアピールすると、二人揃って「よろしくお願いいたします」としっかり挨拶!会場も大きな拍手に包まれました。