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染五郎がラスベガスで『獅子王SHI-SHI-O “The Adventures of the Mythical Lion”』を上演します
昨年8月に引き続き、5月3日(火・祝)~7日(土)にアメリカ・ラスベガスで「Japan KABUKI festival in Las Vegas 2016」が開催され、今年はMGMグランドホテル内の劇場で、市川染五郎を中心に歌舞伎の魅力と先端のテクノロジーを融合させた“全く新しい新作歌舞伎”『獅子王 SHI-SHI-O “The Adventures of the Mythical Lion”』が上演されます。
公演に先立ち製作発表会見が行われ、冒頭松竹株式会社の迫本淳一社長が、「これから、さらに日本の文化を海外に発信していくためには、その地における、そこにいらっしゃるお客様のニーズに合った形でローカライズしていくことが重要です。それが本当の日本の文化の海外展開につながっていくのではないでしょうか。今回は、劇場の中で360度から見られるお芝居とプロジェクションマッピング等の最新のテクノロジーを組み合わせた公演でお客様に喜んでいただきたい」と挨拶。
続いて安孫子正副社長から「ラスベガスでの初めての本公演は『獅子王』という演目を上演します。これは日本にたくさんある獅子の親子を題材にした演目を、新たに作り直して、新しい作品として上演するものです」と演目の紹介。細田光人副社長からは「昨年8月のプレ公演に続き、本年は劇場での本興行に挑むこととなりました。劇場での公演と噴水ショーというそれぞれの会場で、伝統とテクノロジーが融合し展開される瑞々しい日本文化に触れていただければ幸いです」と説明がありました。
【市川染五郎】
昨年、生まれて初めてアメリカ・ラスベガスに歌舞伎と共に上陸いたしました。あちらに到着した日から毎日舞台に上がり、陽が昇るまで打ち合わせをして、本当に芝居創りにどっぷりと浸かることができました。今年またラスベガスの地で歌舞伎の舞台に立つことができるのは、本当に幸せです。
海外に歌舞伎公演が行くのであれば、海外でないとできない歌舞伎を創るということが、私のモチベーションとなっています。ラスベガスで、歌舞伎がエンターテインメントとして根付くことを目標にやりたいと思っています。
今回は、ストーリー性のある舞踊仕立ての作品を新たに創ります。歌舞伎で昔からあるカラクリをたくさん取り入れるつもりです。劇場の中に水を持ち込み、火を使い、宙乗りや早替りも考えています。
まだ打ち合わせの段階ですが、映像にも演者が入ったり、さらには早替りにも映像を使うなど、映像と密にかかわった舞台ができないか、また劇場もすり鉢状で360度すべてが客席ですから、客席も舞台として使うというような、劇場を活かした演出も考えています。劇場にお越しになった皆様にビックリして興奮していただく、エンターテインメントとしての歌舞伎に徹して創るつもりです。
昨年大勢の方に観ていただき、今年また新たなものを創ることができるというのは、本当に嬉しい事です。ラスベガスでもショーをいくつも見てきましたが、日本人が創る、歌舞伎が創る繊細さというものは、ほかになかったのではないでしょうか。それが、いってみれば歌舞伎の武器であり、多くのお客様に興味を持っていただいたところではなかったかと思っています。


