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市川月乃助が劇団新派に入団、二代目喜多村緑郎を襲名!


 平成28年1月三越劇場「 初春新派公演」に於いて、市川月乃助が劇団新派に入団する事となり、また平成28年9月新橋演舞場、大阪松竹座での新派公演に於いて、二代目喜多村緑郎を襲名する事が決定しました。

【水谷八重子】
 私達にとりまして、こんなうれしいニュースは何時以来でしたでしょうか。本当に嬉しゅうございます。眩しい、この月乃助さんに新派にお入りいただけるなんて、夢のような話でございます。しかも、喜多村緑郎先生になってくださいます。
 喜多村先生は、私が新派の初舞台を踏んだ時に「口上」を述べてくださいました。喜多村先生の「口上」があって、私は新派の女優として舞台を踏むことが出来て、今までいるわけです。その喜多村先生がもう一度現れるということは、何か身が引き締まるような思いでございます。

 先生は本当にリアルなそのままのお芝居をなさる方で、ああ、芝居ってそういうものなのだなという、新派というものの教科書のような方でございました。
 新しく生まれる喜多村緑郎さんと一丸となって、新派という劇団を一人でも多くの方に知っていただき、あそこには昔の日本がある、明治の日本がある、見てよかったとも思っていただけるお芝居を残していきたいと思っています。


【波乃久里子】
 初めて月乃助さんが新派の『日本橋』にご出演なさったとき、これほど新派に合う方はいないと、その月の楽の日に「どうしても新派に入っていただけませんか」とお願いしたことを覚えています。その願いが現実となりまして、こんなに嬉しいことはございません。
 まず、一番お礼を申し上げたいのは、(二代目市川)猿翁のお兄様です。澤瀉屋一門のご教育で、良い人、悪い人、何もかもおできになります。また喜多村緑郎のお名前を継がれるからは、これから女方をなさることもあるかもしれません。本当に新派にとってすばらしい財産をいただきました。どうぞ皆様、月乃助さんを優しく見守ってあげてください。


【市川月乃助】
 私、市川月乃助は、来年お正月の三越劇場初春新派公演におきまして、劇団新派に入団させていただくことと相成りました。また、重ねて、同年9月新橋演舞場、大阪松竹座の新派公演にて、二代目喜多村緑郎を襲名させていただきます。大変光栄に思うと同時に、身の引き締まる思いでございます。皆様には、これからも変わらずご声援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 1994年に師匠(猿翁)の部屋子になりましたが、その頃から「あなたは新派にあっているよね」とよく言われていました。2011年に『日本橋』に出演させていただいた際には、戌井(市郎)先生からも様々なお話をうかがうことができましたし、毎日必死でしたが、「この演劇が大好きだ」という想いが徐々に芽生えて参りました。決定的なのは『婦系図』で、早瀬主税をさせていただき、「ここに骨を埋めたい」という気持ちが芽生えました。
 喜多村緑郎はとても大きな名前で、何か初めて大きなものを背負うという気持ちがします。まずは八重子さん久里子さんをはじめ劇団新派の皆様から、今まで培っていらっしゃったものを何とか盗み、教えを乞うて邁進する覚悟でおります。