Home > トピックス一覧 > 菊五郎、菊之助が意気込みを披露~国立劇場初春大歌舞伎『三千両初春駒曳』

トピックス

菊五郎、菊之助が意気込みを披露~国立劇場初春大歌舞伎『三千両初春駒曳』


 平成26年1月、国立劇場初春大歌舞伎では『 三千両初春駒曳』が上演されます。
 天下御免の若殿の威風颯爽とした立廻り<馬切り>や大道具の意外な仕掛けが必見の<釣天井>など、娯楽性豊かな趣向を盛り込んだ、歌舞伎の魅力満載の傑作が初芝居として登場。
 小田三七郎信孝に扮する尾上菊五郎を中心に、中村時蔵尾上松緑尾上菊之助など復活通し狂言でお馴染みの顔触れが勢揃い!話題の公演に先立ち、菊五郎、菊之助が公演ポスターに使用された錦絵を所蔵する「 日本銀行金融研究所貨幣博物館」で意気込みを語りました。

【尾上菊五郎】
今回は小田三七郎信孝、信長の子どもの役を勤めます。三法師丸(信孝の兄・信忠の子)を擁立していこうという柴田勝重(尾上松緑)を悪人として、真柴久吉(中村時蔵)と対決させる・・・三谷幸喜さんの「清洲会議」ではないですが、ああいう世界だと思っていただきたいと思っております。

馬切りの場は松嶋屋のおじさん(十三世片岡仁左衛門)の南座・顔見世三十五年連続出演記念の舞台に捕り手として出演したことがありますが、今回は立廻りにも動きを加え、前後も描かれているのでさらに面白いものになると思います。また、釣り天井の場面も相当おどろおどろしく迫力あるものにしたいと思っています。いろいろ考えながら初春らしい、午歳らしいお芝居になるように、約150年振りの復活ですから、ぜったいに面白くしてやろうと思っています。




【尾上菊之助】
高麗の王女・照菊皇女と大工の与四郎を勤めます。高麗国が出てくるのは、原作からヒントを得たもので、信長の死後、高麗国と柴田が手を組み、日本を乗っ取ろうという背景の中、信長の家臣を好きになった皇女が日本に渡来して、お家騒動を収めていきます。お客様に劇場に来ていただいて、楽しい気持ちで帰っていただくというのは創る側としても楽しみです。初春から、とても縁起の良いお芝居をお見せできると思っております。

先ほど博物館を見学させていただきましたが、文化文政の歌舞伎が盛んだった頃の貨幣を実際に見てみますと、やはり感慨深いものがあります。今年は結婚もして、子どもも産まれ、すごく良い年にさせていただきました。来年は午歳ということで、さらに飛躍できるようにがんばっていきたいと思います。


下写真:公演ポスターに使用された錦絵を見学する菊五郎と菊之助