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8月新橋演舞場『さくら橋』に出演する月乃助らが意気込みを語りました
8月2日(金)~27日(火)新橋演舞場では『
さくら橋』が上演されます。戦後から東京スカイツリーが完成間近の現代までの浅草を舞台に、大阪から上京した河村花を中心とした下町の人々の姿を生き生きと描き出す、笑いと涙たっぷりの物語。主人公・河村花役の藤山直美、「かね升」の女主人・丸井かね役の加賀まりこ、花が思いを寄せる三杉喬役の市川月乃助、補綴・演出の齋藤雅文が製作発表で公演への思いを語りました。
【齋藤雅文(補綴・演出)】
久しぶりに新橋演舞場に直美さんを迎え、歌舞伎とも新劇とも小劇場とも違う、新橋演舞場らしい、暖かい人情喜劇を創れるのでないかととても楽しみにしています。この『さくら橋』は松原敏春氏の脚本『流水橋』をもとにした人情劇です。『流水橋』は森光子さんと山岡久乃さんに書かれた作品ですので、そのあたりを留意して、直美さん、加賀さん、月乃助さん、安達さんにあてて直しております。
物語は戦後からわれわれが今生きている平成24年まで続き、直美さんには86歳になっていただきます。この際ですから最後は東京スカイツリーを見ながら、みんなで花見をしてAKB48の「ヘビーローテーション」を熱唱していただこうかなと思っております(笑)。
【藤山直美】
私にまわってくる役は、雑草みたいな役ばかりなんです(笑)。踏まれても踏まれても強く生きていく、というのがイメージになっておりますので、それをちゃんと行儀良く、品良く演じられたらいいなと思っております。河村花は、以前森光子さんがされてるお役でもあります。その後にさせていただくという、感謝の気持ちを持って演じたいと思っています。
加賀さん、月乃助さん、ほとんどの方と初めて共演します。加賀さんに初めてお会いしたのは20年程前で・・・フランス人形みたいな方やなと思いました(笑)。テレビが夢のような世界と思われていた一番素晴らしい時代に、沢山の経験をなさっていらっしゃるので、その貴重な経験で助けていただけたら嬉しいなと思っています。
私は月乃助さんの師匠の市川猿翁さんが大好きで、そのDNAを持っている月乃助さんと共演できて本当に嬉しいです。そして、私と同じように子役から活躍なさっている安達祐実さんとの親子関係も楽しみです。暑い8月ですけれど、お客様に喜んで帰っていただけるようなお芝居を、皆で気持ちを一つにして創っていきたいなと思っています。

【加賀まりこ】
藤山直美さんの舞台にというお話しを聴き、「あんな天才のかたと一緒に芝居が出来るの!」とびっくり致しました。以前、山岡さんにとても可愛がっていただいたことがあり『流水橋』も二度ほど拝見しておりますので、藤山さんの足を引っ張らないように、山岡さんが私に見せて下さった役の作り方を参考に勤めようと思っています。
丸井かねという金貸しばあさんは、私のように「フランス人形」のような仕事をしてきたタイプの女優にとっては、すごく憧れる役柄です。最初の出会いで、身投げをしようとしている花さんに、「死ぬのをちゃんと見届けてやるから、すぐここで飛び込みな」と言うようなタイプは、ちょっと私の地に近いところもあります(笑)。初めての新橋演舞場で、今年がどんな夏になるか、いまからドキドキしています。
【市川月乃助】
直美お姉さんには、数年前、私は出演しておりませんでしたが、猿翁一門が斎藤先生の演出で『スーパー喜劇 狸御殿』というお芝居をさせていただいたり、また、お食事に誘っていただいたり、先だっては、私事ですが結婚祝いのお食事会も開いて下さったり、プライベートでとてもお世話になっている大恩人です。この度初めてお芝居でご一緒できて、これで公私ともにお世話になっていると言えるのがとても嬉しいです。
師匠の猿翁も「直美さんのお芝居に出られるなんて、最高だね、よかったね!」と大変喜んで下さっています。その期待に応えるべく、師匠の背中を追いかけ、修業しながら受け継いできたDNAが舞台に出るように、精一杯勤めて参りたいと思っております。


