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吉右衛門が日本記者クラブで歌舞伎座新開場に向けての思いを語りました


 4月2日(火)から始まる歌舞伎座の新開場こけら落とし公演に先立ち、(公社)日本俳優協会中村吉右衛門専務理事、松竹(株)迫本淳一社長、安孫子正専務取締役が日本記者クラブで会見を行いました。

【中村吉右衛門】
 初代中村吉右衛門、そして二代目の私と歌舞伎座とは深い縁がございます。戦争で歌舞伎座が焼け落ち、その後昭和26年に第四期の歌舞伎座が出来た際には、初代吉右衛門が歌舞伎役者の総代としてご挨拶をさせていただきました。また、昭和28年11月には『近江源氏先陣館』を天覧で勤めさせていただき、また昭和29年に『熊谷陣屋』を勤めて世を去るまで、若い俳優たちを引っ張り、そして世に出して参りました。

 私も長く歌舞伎座で勉強させていただき、第四期の最後には、初代が最後に勤めた『熊谷陣屋』を出させていただきました。そして待ちに待ったこの度の第五期歌舞伎座では、手打式から参加させていただき、開場式で三番叟の翁を舞わせていただきます。この後は、初代が第四期の歌舞伎座で行いましたように、次代を担う方たちを指導して見守っていくのが私の勤めではないかと思っております。

 一口で伝統文化と申しますが、知れば知るほど奥が深いというのが正直なところでございます。先人の名人上手と言われた方々の芸を真似るだけでも大変です。先人がこしらえあげてきた演出を大事に自分の物にして、もしそこに隙間があるならば自分の考えも入れる、どこまで出来るか判りませんが、至高の高みを目指し、先人が"歌舞伎の殿堂"といわれるまでにした劇場の名を汚さず、再び"歌舞伎の殿堂"と呼ばれる劇場にしたいと思っております。


※近日中に、こちらのページに会見の模様の動画が掲載される予定です。