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第四回システィーナ歌舞伎『主天童子』~片岡愛之助、上村吉弥が意気込みを語りました


 11 月13 日(火)~15 日(木)、大塚国際美術館では、ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂を原寸大に立体再現した「システィーナ・ホール」を舞台とする 新作歌舞伎『主天童子』が上演されます。
 「和と洋のコラボレーション」「創作による新作歌舞伎」をコンセプトとするシスティーナ歌舞伎、2009 年には『切支丹寺異聞 伽羅紗(ガラシャ)』、2010 年には『スサノオsusanoo』、2011 年には『GOEMON 石川五右衛門』と上演を重ねています。今回初演される『主天童子』は、荘厳な雰囲気を持つ「システィーナ・ホール」に合わせて水口一夫 作・演出、藤間勘十郎 振付により繰り広げる創作劇です。公演に先立ち、片岡愛之助上村吉弥ら出演者らが舞台への意気込みを語りました。

 

【水口一夫(作・演出)】
 「主天童子」という字ですが、大江山のものは「酒呑童子」と書きます。「酒顛童子」あるいは「朱点童子」と書いてあるものもあり、いろいろな表記の仕方がありますが、システィーナ礼拝堂ですから“天主ゼウス”この天主をひっくり返しまして主天とさせていただきました。
 平安時代の大江山の酒呑童子の時代をもってきますと、全然〝洋〟の部分が出てきません。ギリギリ〝洋〟の部分が入る時代、島原の乱がおこった1630年代、切支丹一揆のカリスマと言われた天草四郎に焦点をおきます。彼は非常に美少年で、そして妖術、幻術を使ったと書いてあります。天草四郎と相棒の茨木童子が京都で再会を果たし、幕府に一泡吹かすために怪盗となって暴れまわるという、非常に荒唐無稽な設定にさせていただきました。歌舞伎の要素をいろいろと入れ、人間の聖と俗、善と悪のようなものを表しながら、人間とはどういうものかをテーマに描ければいいなと思います。


左から水口一夫(作・演出)、片岡愛之助、上村吉弥


【片岡愛之助(七草四郎時貞/主天童子)】
  今回は天草四郎を勤めますが、17 歳の美少年・・・頑張りたいと思います。大阪で生まれ、上方の人間として、上方発信で何かを作りたいなと常々思っています。美術館でつくるシスティーナ歌舞伎は、特別な空間でやらせていただく特別な芝居。西発信の、いい芝居を作りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


【上村吉弥(傾城茨木/茨木童子)】
  第一回目から出していただきまして、年に一度、システィーナ歌舞伎に出させていただくことが本当に楽しみになっています。いろいろな趣向をこらして毎年やっておりますが、片腕で踊るという難題のお役(茨木童子)を頂戴し、ご宗家の藤間勘十郎さんによく習い、稽古をつみ、皆さまにご覧いただけたらなと思います。