中村 歌門 (2代目) ナカムラ カモン

本名
町田優
俳名・舞踊名
俳名は花妻
屋号
駒村屋
定紋
祗園守、三ツ梅
生没年月日
大正2(1913)年11月15日〜平成元年(1989)年12月11日
出身
東京・下谷

プロフィール

五代目中村歌右衛門門下から前進座に参加し、女形から、つっころばし系の二枚目、敵役まで幅広い役柄をこなした。新演出で大きな反響を呼んだ『熊谷陣屋』で義経を演じた人である。後年、大歌舞伎に復帰し、六代目歌右衛門一門に戻り、父子二代に師事することになった。歴戦のベテランで実力があって、復帰後も敵役を中心に存在感を見せた。猪首でギョロリとした眼にぶ厚い唇でべりべりとした調子。それでいてどこか色気と愛嬌があるのがこの人の個性だった。女形でも『中将姫雪責』の継母照日の前について姫を責める腰元山根の憎らしさ。その一方で『河庄』の善六などをサラリと演じて、異和感がなかった。

晩年、前進座の若手を指導した『曾我対面』が前進座劇場で演じられている。舞台稽古のとき客席にいた歌門の厳しい視線が印象的だった。

【秋山勝彦】

経歴

芸歴

父は落語家の二代目談州楼燕枝、姉が三代目中村翫右衛門夫人。五代目中村歌右衛門に入門し、大正14年4月歌舞伎座『天下茶屋』の下町娘で中村福燕を名乗り初舞台。その後第2回春秋座公演に参加、初代市川猿翁に入門(この頃市川古登之助と名乗ったとする資料もあるが確認できず)。春秋座解散後、一時映画に行く。昭和8年前進座に入座し、市川菊之助と名乗る。昭和30年8月二代目中村歌門を襲名。昭和40年前進座を退座、テレビ映画に出演。昭和41年4月より六代目中村歌右衛門の門下となる。昭和47年5月伝統歌舞伎保存会会員の第2次認定を受ける。

受賞

昭和34年神戸新聞より『対面』の朝比奈で演技賞。昭和53年12月『桐一葉』の大野道軒で国立劇場奨励賞。

舞台写真

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