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月乃助が鏡開き~三越劇場・初春新派公演~


 1月2日(金)、三越劇場で「 松竹創業百二十周年 初春新派公演 花柳章太郎没後五十年追悼」が初日を迎え、三越劇場本館1階中央ホールで市川月乃助ほか、出演者による「鏡開き」が賑々しく行われました。

【水谷八重子】
 皆様あけましておめでとうございます。
 『大つごもり』の山村あやは、新派の市川 翠扇(いちかわ すいせん)先生がお得意となさったお役でございます。どこまで、気まぐれなおかみさんが勤められますかどうか、ドキドキいたしております。
 あやは意地悪なだけではありません。一所懸命生きているのに、あやの気持ちを替える要素がたくさんやって来て、ついカッとなってしまう。しっかりと勤めたいと思います。
 『寒菊寒牡丹』では、若葉屋の妻吉を勤めます。今回、菊葉の役を、瀬戸摩純、石原舞子、鴫原桂の三人がトリプルキャストで勤めます。若い三人の魅力で、素晴らしい花柳界のお芝居になり、しばし現実を忘れることのできる時になると思っております。三人三様の違う娘を楽しみに、どうか三日間、3回ご覧になっていただきたいと思います。


【波乃久里子】
 新年早々、こうして大勢の皆様にお集まりいただき、ありがたく思っています。
 私は樋口一葉先生の『大つごもり』というお芝居で、おみねという、今で言うお手伝いさんの役を勤めさせていただきます。八重子お姉さんのご新造さまに、こき使われてしまう、本当に真心のあるかわいい女でございます。
 おみねは七回目、今回は一世一代で勤めさせていただきます。回を重ねて演じることで、自分で仕切ってしまう怖さがあります。演出家の目にならないよう、素直な、新鮮なおみねを演じたいと思っています。


【勝野洋】
 三越劇場は3度目になりますが、新派の舞台は初めてです。八重子さん、久里子さん、月乃助さん、素晴らしい方々と出会いまして、今年はすごく縁起がいいのではないかと思っております。
 新派は日本の良さや情緒など、他の舞台とはまったく違う良いところがあって、それを感じながら、お稽古を進めて参りました。、新派の舞台に出演できることを嬉しく思っています。


【市川月乃助】
 2年ぶりにこの鏡開きに参加させていただきます。本当にすがすがしい気持ちで新年を迎えさせていただきましたので、舞台も千穐楽まで、すがすがしく勤めたいと思っております。今回の『大つごもり』の山村石之助というお役は、そのすがすがしさとは相反して、多少ひねくれた複雑な感情のお役でございます(笑)。
 新派の皆さんは温かく迎えて下さって、とくに八重子さん久里子さんの顔をみるとホッとします(笑)。師匠の猿翁からも、「新派に骨を埋める覚悟でしっかりやってきなさい」と、ハッパをかけられました。一ヶ月、精一杯勤めたいと思います。