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国立劇場初春歌舞伎公演『南総里見八犬伝』初日を前に舞台稽古が行われました

 国立劇場初春歌舞伎公演は、江戸後期の戯作者・曲亭馬琴の代表作『 南総里見八犬伝』の通し上演です。
 尾上菊五郎が初役で勤める犬山道節が使う火遁の術、中村時蔵の犬坂毛野の美しく妖艶な女田楽師、尾上松緑の犬飼現八と尾上菊之助の犬塚信乃が見せる芳流閣での派手な立廻りなど、お正月らしい華やかな演出に溢れています。

 舞台稽古を終えた菊五郎は、「初春の歌舞伎ということで、気持ちも高ぶっております。お正月の国立劇場は、何でも有りの、勇ましい、お正月らしい舞台です。お客様からも力をいただき、私どももお客様に力を与えたい、そういう舞台ができればと思っております」と意気込みを披露。

 幕切れには、若手書道家・武田双雲氏が揮毛した「仁義礼智忠信孝悌」の8本の旗指物(はたさしもの)が舞台に翻ります。この演出は、菊五郎が思いつき、双雲の書道教室に通う菊之助が頼んで実現したもの。双雲氏は「未年だけに、ひつじの毛で書かせていただきました。ひつじの毛は柔らかいので柔らかさを、さらに新春ですから勢いも必要です。柔らかさと勢い、両方が表現できたら、と思って描きました」。

 今年の抱負について尋ねられた時蔵は、「今年は年男で36歳になります(笑)。本当は、赤いちゃんちゃんこを着る歳になりました。還暦の年の初春の歌舞伎ですから、一所懸命勤め、一年を素晴らしい年にしたいと思います」。菊之助は、「お正月らしい、華やかな舞台になっています。幕切れも双雲先生の字で、正月らしい、華やかな、そして勢いのある幕切れになっております。ぜひ、国立劇場にお越し下さい」と意気込みを披露。

 八犬士の一人、犬江親兵衛仁を勤める尾上左近の勇ましい姿について尋ねられた松緑は、「まだ子どもですが随分しっかりしていて、いつ僕がいなくなっても、後はしっかりやってくれるのではないかと、期待しております(笑)」。左近くんも「がんばりたいと思います!」と元気に応えていました。