片岡 當十郎 (3代目) カタオカ トウジュウロウ

屋号
松鶴屋
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼立役。十三代目片岡仁左衛門に師事して神戸八千代座で初舞台という芸歴70年近い大ベテランである。大柄で鷹揚な雰囲気を持っている。武家の若党など実直な役柄がご本人の印象とダブって秀逸だが、勉強会では『寿曽我対面』の工藤祐経が立派な柄をいかして成果をあげた。古風な佇まいで舞台に居るだけで上方の風を感じさせる貴重な役者であり、片岡家の大番頭的な存在である。

〔小宮暁子〕

経歴

芸歴

▼1939年生まれ。十三代目片岡仁左衛門に入門し、53年4月神戸・八千代座で片岡彦太郎を名のり『寺子屋』の寺子で初舞台。63年3月片岡秀六(ひでろく)と改名。81年1月大阪・中座『勧進帳』四天王で三代目片岡當十郎を名のり名題昇進。

受賞

▼1967年4月『鑓の権三重帷子(やりのごんざかさねかたびら)』の甚平下人などで、70年9月『伊賀越道中双六』の奴実内などで国立劇場奨励賞。87年6月関西で歌舞伎を育てる会奨励賞。95年5月金丸座で三穂津さくら賞。97年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。2008年第十四回日本俳優協会賞功労賞。17年第五十二回大阪市市民表彰。19年文化庁長官表彰。

舞台写真