中村 芝のぶ (初代) ナカムラ シノブ

屋号
成駒屋
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼女方。愛らしい容姿にしなやかさ、声も綺麗でまさに娘そのものに見える。技術もしっかりとした実力派。腰元や仲居などで出ていると安心感がある。早くから『文七元結』のお久や『四谷怪談』のお梅などに登用され、『俊寛』の千鳥や『すし屋』のお里、『野崎村』のお染など、数々の大役に抜擢。その期待に見事に応えてきた。凜とした役もこなし、幅広く活躍している。2018(平成30)年は自身最後の稚魚の会・歌舞伎会合同公演で『矢口渡』のお舟を好演。

〔阿部さとみ〕

経歴

芸歴

▼1967年生まれ。88年国立劇場第9期歌舞伎俳優研修修了。4月歌舞伎座『忠臣蔵』の本蔵家来ほかで久保清二の名で初舞台。9月七代目中村芝翫に入門し、歌舞伎座『籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)』の九重付振袖新造ほかで中村芝のぶを名のる。2000年4月歌舞伎座『鰯賣戀曵網』の傾城乱菊、『鏡獅子』の局(つぼね)吉野で名題昇進。

受賞

▼1991年関西で歌舞伎を育てる会努力賞。93年第十二回眞山青果賞敢闘賞。95年関西・歌舞伎を愛する会奨励賞。2001年第七回日本俳優協会賞奨励賞。02年6月『俊寛』の海女千鳥で、07年7月『野崎村』のお染で、12年1月『三人吉三巴白浪』の夜鷹おてふで、同年6月『俊寛』の丹波少将成経で、14年11月『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』竹の間・御殿の腰元で、16年6月『魚屋宗五郎』の召使いおなぎで国立劇場奨励賞。09年第十五回日本俳優協会賞。12年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。

舞台写真