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春猿ら出演者が意気込みを語りました~三越劇場 初春新派公演『明治一代女』
平成26年1月三越劇場で、初春新派公演『
明治一代女』が上演されます。明治20年に芸者が番頭を刺し殺しセンセーションを巻き起こした事件を題材に、この作品で第1回直木賞を受賞した作家川口松太郎が描き出した珠玉の名作です。
今回の公演では、新派を代表する二大看板、水谷八重子と波乃久里子の競演に加え、歌舞伎界より市川春猿、新派出演3度目となる佐藤B作らが出演。公演に先立ち記者懇親会が行われ、出演者が意気込みを語りました。
【水谷八重子】
こうして懇親会の席で、大勢の記者の皆さんの前に来ると、来年は、もっともっと力を入れなくてはいけない、そんな風に肝に銘じ鼓舞される思いがいたします。秀吉(ひできち)という役は今回で2度目になります。女の性(さが)が、哀しい物語の中に凝縮されている役と思っています。短い出番で、どれだけそれをお見せすることができますか、それが来年初の私の冒険だと思っております。
【波乃久里子】
お正月早々、お梅をやらせていただくこと、有難く思います。そして春猿さん、B作さんにお力を貸していただいて、八重子お姉様はじめ、新派一丸となって勤めて参ります。お梅は15年ぶり3回目になりますが、今回も初代水谷八重子先生のそのままを写し、形を守りながら、息吹と情熱を持って勤めるつもりです。見せ場となる浜町河岸の殺しも派手にはせず、先生がそうだったように、まるで望遠レンズで河岸を覗いているような雰囲気が舞台に出せればと思います。

【市川春猿】
初春新派公演に呼んでいただき光栄に思っております。新派作品が大好きで、ここ数年色々な作品を勉強させていただいて参りましたが、この『明治一代女』は、自分のリサイタルでも取り上げたことのある、思い出の深い作品です。また、今回は立役、ましてや「散切り」という鬘を被って舞台に出るという・・・人生で2度目でございますので、そちらも楽しみにしていただきたいと思っております。新派の古典の作品ですので勉強しながら、心を大切に、それをお客様に感じていただきたいと思っています。
【佐藤B作】
まさか古典のお芝居にお声を掛けていただけるとは思っておりませんでした。いろんな勉強をさせていただく良い機会だと思って精一杯演らせていただきます。巳之吉は芸者のお梅を愛し、田畑全て売り払ってお金を工面しても、お梅から前の男が忘れられないと告げられてしまう・・・男の悲劇ですね。私も東北・福島の出身で田舎から東京に出て来て、様々な経験をいたしました。それらを心のよりどころにしながら、勤めたいと思っています。

