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春猿が泉鏡花展を訪れました~10月三越劇場 新派名作撰『婦系図』


10月5日(土)から11月24日(日)県立神奈川近代文学館で開催される 「生誕140年記念 泉鏡花展-ものがたりの水脈-」の内覧会(10月4日)を市川春猿が訪れ、展示されている鏡花ゆかりの品々を鑑賞し、10月10日(木)から三越劇場で上演される 新派名作撰『婦系図』への思いを語りました。

鏡花先生が生活で使っていた貴重な品もありましたし、これだけ集めるのは大変だったろうと思います。今日拝見した物の中で、どれか一つが無くてもあの美しい泉鏡花の作品が生まれてこなかったのではないか、そう感じられます。そして、作品に惚れ込み、それを世に知らしめるために多くの著名な画家達が挿絵や表紙を描かれていて、そういう方々をも魅了する、素晴らしい作品であったということも強く感じられました。

鏑木清方先生が描いた「めの惣」の挿絵を改めて拝見して、お蔦ってこんなにやつれたイメージなんだ、明日からお稽古を変えなきゃと思って(笑)。お蔦は柳橋きっての芸者でしたから、既に引退したとしても"芸者のにおいが"しなくてはいけません。そして女の純粋なところも出ていて・・・むずかしいです。ただ、お稽古が進めば進むほど、素敵な作品だと改めて感じています。今回はなぜ『婦系図』なのか、"系図"というものに焦点を当てています。「なるほど婦系図か」、と解っていただけるよう判りやすく、そして鏡花先生の魅力も充分に引き出されている舞台ですので、初めてご覧になるかたにもお楽しみいただけるのではないでしょうか。

こうした展覧会を通じて、より多くの方に、泉鏡花の言葉の魔術を感じていただき、こんなにも綺麗な言葉が日本語にはあったんだと判っていただけたら嬉しいです。そしてこれを機会に、泉鏡花の作品を手にとって読んでいただきたいと思います。鏡花の作品には色々な世界観があるので、ずっと読まれていくと、必ず自分の心にぐっとくる作品が見つかると思います。そしてその本を片手に・・・ぜひ三越劇場へお越し下さい(笑)。


生誕140年を記念して開催される「生誕140年記念 泉鏡花展-ものがたりの水脈-」。詳しくは 県立神奈川近代文学館ホームページをご覧下さい。