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田中傳次郎による古典芸能ワークショップ「おはなしに音とをつけよう-囃子方のしごと-」が開催されました
3月10日(土)、
KAAT 神奈川芸術劇場で、田中傳左衛門監修、KAAT次世代への古典芸能プロジェクト/古典芸能ワークショップ「おはなしに音とをつけよう-囃子方のしごと-」が開催されました。
歌舞伎囃子方の田中傳次郎を講師にむかえ、小学1年~3年の子どもたちが、笛や太鼓・鼓など実際の歌舞伎でも使われる伝統的な楽器を用いて、「蜘蛛の糸」のおはなしに「音をつける」作業に挑戦しました。
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ワークショップは歌舞伎囃子方による演奏や楽器の説明から始まりました。続いて「蜘蛛の糸」の朗読を聞き、効果を高めるために鼓や太鼓を使って、物語に音をつけていきました。子どもたちからは「この部分では鐘の音をならしてもいい?」「ここは楽しいから鈴を鳴らそうよ」などアイディアがたくさん飛び出して、講師達も感心しきり!最後は父兄達を前に、子どもたちが和楽器を使い、朗読にあわせて効果的な「音」をつけ、それによってお話がさらに盛り上がる効果を体験しました。参加した児童からは「(和楽器から)勇気や強さを感じました」「お話だけでも綺麗だけど、音をつけるともっと綺麗」といった感想もあり、みなワークショップを楽しんだ様子でした。

写真左:和太鼓をたたいてみます 写真右:みんなで相談して物語りに音をつけていきます
講師を勤めた田中傳次郎は、
「今日は低学年の方が対象でしたが、みな発想や創造性が豊かで、我々にはない"ピーターパンの世界"、我々が忘れかけている大事なものを持っている、ととても感心しました。このワークショップでは、一つのものを360度の視野見てみる、ただ本を読んでいるだけではなくBGMを自分で想像して創ってみる、そういった発想力が大切、ということを学んでもらいたいと思っています。そして子どもたちが将来歌舞伎を観るときに、想像力を大いに膨らませて、大切なものを感覚で感じてもらえるようになってくれればいいなと思っています。
次週(3月17日)は、高校生以上の大人を対象としたワークショップを開きます。そちらの応募者はなんと40人!多くの方に古典芸能に興味を持っていただくのは大変嬉しい事ですし、その興味を少しでも満たしていただけるようにカルチャー的な要素も多くしたいと思っています。これからも10年、20年先を見据えて、様々な発信をしながら、古典芸能というものに親しんでいただく機会を作り続けていきたいと思っています」と思いを語りました。

最後に山崎美貴さんの「蜘蛛の糸」の朗読にあわせた音をみんなの前で披露しました

