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歌舞伎座で話題の2作品 宮藤官九郎『大江戸りびんぐでっど』&野田秀樹『鼠小僧』

 「 歌舞伎座さよなら公演十二月大歌舞伎」では、昼の部に宮藤官九郎が初めて歌舞伎の作・演出を手がける『大江戸りびんぐでっど』、夜の部では野田秀樹作・演出の『野田版鼠小僧』と、現代劇作家の2作品が上演されています。

 『大江戸りびんぐでっど』は江戸の街にゾンビが現れ、唄い踊るという笑いが溢れる作品。
 宮藤官九郎は、初演出について「江戸時代にもしゾンビがいたら、おおらかな江戸の人は意外と仲良くしてしまうのでは、というニュアンスでいるんです。それにしても、歌舞伎の人達はすごいですね。セリフを覚えたり、動きを覚えたりというのがとても早い。早くから稽古をはじめてしまってすみませんという感じです」と感想を披露。
 主人公・くさや売りの半助を勤めるのは市川染五郎。「役割としては、話の芯でもあり、ストリーテラーでもあり、いろんな責任を感じています。とにかく宮藤さんのお芝居を面白くするのが第一。力業でも歌舞伎座を盛り上げたい」と意気込みを語りました。
 また、四十郎を勤める坂東三津五郎は「劇中でゾンビを何十人と切るのですが、これが大変(笑)。立廻りも仕草もまだまだ宮藤官九郎さんの要求されているレベルには達していないと思うので、お稽古を重ねてさらにレベルアップしたいなと思っています。でもあまりにこのまま調子を上げてしまうと、他のお芝居に影響してしまうのでは・・・と少し心配です(笑)」と話していました。

 『野田版鼠小僧』は、2003年8月に初演され、シネマ歌舞伎でも人気を博した作品。再演について野田秀樹は「歌舞伎は上演を重ねる物ですので、この作品も歌舞伎のレパートリーになったのかなと感じでいます。もともと12月のための作品でしたので、この季節に上演できて嬉しく思います」。
 棺桶屋から盗賊となる主人公三太を勤める中村勘三郎は、「昼は宮藤さん、夜は野田さんの作品を上演するという贅沢な事を、しかも“さよなら公演”でできる事がものすごく嬉しい。両方の作品に出ていますが、どちらも負けたくないという気持ちで、ともにテンションが上がっています。十二月公演では『野崎村』や『引窓』もあって、こうした古典の中で、今生きている現代の作家が演出してくれた新しい作品が上演できすごく嬉しく思っています。」と公演への思いを語りました。