片岡 松燕 (2代目) カタオカ ショウエン

本名
野村金次郎
俳名・舞踊名
舞踊名は藤間藤之丞
屋号
松島屋
定紋
銀杏鶴、松菱の中に燕
生没年月日
明治44(1911)年07月05日〜不明
出身
大阪市

プロフィール

大阪で生まれ、子役から舞台に立ったというから長い芸歴だ。五代目片岡芦燕(のちの十三代目我童=没後、十四代目仁左衛門を追贈)に師事して女形一筋に修業を積み、戦後は主に東京で舞台に立った。小柄で古風な雰囲気をもった女形で、地味で目立たないながら、どこか上方独特のしっとりとした色気が漂い、上方の色町の仲居や芸妓などを自然につとめていた。東京に出てきてからは、『助六』などの江戸吉原を舞台にした狂言で新造や芸者なども演じ、また時代物のならびの腰元も勤めていたが、どこか寂しげな風情のある芸風は師匠ゆずりでもあったろう。『野崎村』で師の我童がお染をつとめたとき、下女およしを嬉しそうに演じていた。晩年は白塗りだけでなく世話物の老婆の役などもつとめ、『東海道四谷怪談』で「宅悦内の場」の辻君なども演じていた。73歳を機に引退し、老人ホームで老後を送ったと聞く。

【浅原恒男】

経歴

芸歴

大正10年4月片岡一兵衛を名のり中座で初舞台。昭和9年6月歌舞伎座で片岡燕之丞と改名。昭和32年4月歌舞伎座『祇園祭礼人山鉾(ぎおんまつりひとのやまぼこ)』の下女で二代目片岡松燕を襲名、名題昇進。昭和47年5月伝統歌舞伎保存会会員の第2次認定を受ける。昭和59年に引退廃業。