市川 升之丞 (2代目) イチカワ マスノジョウ

本名
中里健次
屋号
成田屋
生没年月日
大正3(1914)年06月03日〜平成20(2008)年12月29日

プロフィール

市川宗家、成田屋の大番頭格の人だった。

上品な女形で、この人や初代加賀屋鶴助といった人達が鴇(とき)色の腰元で並んだ時代の、なんと大舞台だったことか。脇のこういう人たちにも、歌舞伎座なら歌舞伎座の格が、厳然とあったのである。若くして父を亡くした十二代目市川團十郎を支えた功労は大きい。祖父にそっくりの現・市川海老蔵の晴れ舞台を機に潔く舞台を退いた。歌舞伎の家にとって、伝統を守る古参の弟子の存在の大きさを痛感させる役者だった。

【秋山勝彦】

経歴

芸歴

父は初代市川升之丞(本名法橋覚治)。五代目市川新之助に入門し、大正10年6月四谷の大国座『盛綱陣屋』の小三郎で市川梅三郎を名乗り初舞台。昭和 13年10月歌舞伎座『忠臣蔵』で二代目市川升之丞を襲名、名題昇進。昭和40年4月伝統歌舞伎保存会会員の第1次認定を受ける。平成5年1月歌舞伎座『雪暮夜入谷畦道(ゆきのゆうべいりやのあぜみち)』蕎麦屋女房を最後に引退。

受賞

昭和54年7月『仮名手本忠臣蔵』六段目のおかやで国立劇場特別賞。平成元年日本俳優協会功労者表彰。平成3年12月『刺青奇偶(いれずみちょうはん)』の半太郎母おさくで歌舞伎座賞。平成4年第12回眞山青果賞敢闘賞。平成5年1月歌舞伎座『雪暮夜入谷畦道』の蕎麦屋女房と永年にわたる功績に対して松竹会長賞。

舞台写真

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