坂東 薪蔵 (3代目) バンドウ シンゾウ

本名
田鹿辰吉
俳名・舞踊名
俳名は善晤
屋号
音羽屋
定紋
鶴の丸
生没年月日
明治31(1898)年02月15日〜昭和48(1973)年11月05日
出身
東京

プロフィール

菊五郎劇団の名脇役の1人。丸顔のポッチャリ型で、出ているだけでユーモラスな愛嬌があった。『白浪五人男』「浜松屋」の番頭の「よいトイチでもくればいいに」のところなど、耳目に残るおもしろさがあった。ほかにも『切られ与三』「源氏店」の藤八や『加賀鳶』「質屋」の佐五兵衛など、半道敵の番頭役のトレードマークである“めがね”という独特の鬘が至極ぴったり似合った。江戸の、それも黙阿弥物の脇にはもってこいの、サラリとしていながら、舞台の雰囲気を盛り上げてしまうベテランの味。吐く息吸う息、なんでもないことが、実は深いのである。

【秋山勝彦】

経歴

芸歴

明治39年六代目尾上栄三郎(のち六代目坂東彦三郎)に入門し、10月市村座『成田利生記』の角力場の豆行事で尾上朝太郎を名乗り初舞台。大正3年4月市村座にて坂東薪三郎と改名。大正3年10月名題下に上がり、大正12年4月三代目坂東薪蔵を襲名し名題昇進。昭和17年7月歌舞伎座に出演後、休演していたが、昭和27年9月から菊五郎劇団に復帰。昭和40年4月伝統歌舞伎保存会会員の第1次認定を受ける。

舞台写真

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