市川 寿猿 (2代目) イチカワ ジュエン

屋号
澤瀉屋
定紋
三ツ澤瀉
所属
伝統歌舞伎保存会会員

プロフィール

▼立役。澤瀉屋一門の最長老で、初代市川猿翁から直接の指導を受けその舞台を知る貴重な存在。2015(平成27)年1月、歌舞伎座で『黒塚』の強力を84歳にして矍鑠(かくしゃく)たる姿で立派に勤め上げた。『高時』の秋田入道では堅実な芸風のなかに舞台への情熱が迸り、『一本刀土俵入』の清大工では人生の滋味を感じさせる。スーパー歌舞伎Ⅱなどの新たなチャレンジにも柔軟に対応し、役どころをきちんととらえた演技で当代まで3代の猿之助の舞台を支え続けている。

〔清水まり〕

経歴

芸歴

▼1930年5月20日生まれ。34年小石川小劇場の『義経千本桜』渡海屋・大物浦の安徳帝ほかで坂東小鶴を名のり初舞台。47年八代目市川八百蔵(八代目中車)に入門し、市川七百三郎(なおさぶろう)と改名。49年三代目市川段四郎に入門し、市川段三郎と改名。55年1月二代目市川猿之助(初代猿翁)に入門、市川喜太郎と改名。57年4月歌舞伎座『血笑記』の伊与田大三郎で四代目市川喜猿を襲名し名題昇進。75年7月歌舞伎座『橋弁慶』の従者ほかで二代目市川寿猿を襲名。2000年7月歌舞伎座『義経千本桜』四の切の川連法眼ほかで幹部昇進。

受賞

▼1967年10月『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)』の大坪軍八ほかで、96年10月『四天王楓江戸粧(してんのうもみじのえどぐま)』の夜そば売り仁八実は中間四五平ほかで国立劇場特別賞。74年重要無形文化財(総合認定)に認定され、伝統歌舞伎保存会会員となる。84年歌舞伎座優秀賞。2000年第一回とべとべ賞。03年10月『競伊勢物語(はでくらべいせものがたり)』の須磨の此兵衛実は大江音人ほかで国立劇場優秀賞。07年文化庁長官表彰。09年第十五回日本俳優協会賞特別賞。19年第四十回松尾芸能賞松尾國三賞。

舞台写真

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