▼立役。順序正しく役を経験し、着実に成長してきた。父譲りの爽やかな口跡と、衒(てら)いのない真っ直ぐな芸。『仮名手本忠臣蔵』大序の足利直義を規格正しく演じる一方で『落人』の鷺坂伴内にも挑戦するなど、一つ一つの役に真摯に取り組んで修業中。『加賀見山旧錦絵(かがみやまこきょうのにしきえ)』の牛島主税のような赤ッ面の敵役もいい。『暫』の腹出しのきっかりとした演技と甲のきいたセリフは高い評価を得た。これからの成長が楽しみな若手のダークホース。
▼昭和51年6月29日生まれ。八代目坂東彦三郎の長男。56年12月国立劇場『寺子屋』の寺子で初お目見得。57年5月歌舞伎座『淀君情史』の亀丸で五代目坂東亀三郎を名のり初舞台。
▼昭和60年と62年に国立劇場特別賞。


