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『日本むかし話』稽古を公開!~新橋演舞場「初春歌舞伎公演」


 2018年1月3日に初日を迎える新橋演舞場「 初春歌舞伎公演」。出演者と、Bプロ『日本むかし話』を演出する宮本亜門が、稽古場にて公演へ向けての思いを語りました。

市川海老蔵
 全演目に出演させていただきます。Aプロでは、獅童さんと、右團次さんの『天竺徳兵衛』に足利義政役で出させていただいて、『口上』にも出ます。『静法楽舞』では7役と、結構いろいろやります。Bプロの『日本むかし話』では演出の亜門さんと一緒にやらせていただきます。体調管理をしながら一生懸命やりたいと思っております。

 今回は全部で12役やらせていただくということで、皆さんより早くお稽古を始めております。Bプロの『日本むかし話』では娘の麗禾も、かぐや姫(幼少)役で出演します。お稽古も毎日、踊りの先生を二人付けてしっかりとやっております。父としては心配ですよね。そんなに厳しすぎてもいけないでしょうし、そうであったとしても緩い状況でもいけません。その辺の塩梅を見ながら1ヶ月間続けられるように、あまり急がず慌てずに進んでいけたら良いなと思います。


中村獅童
 実は東京での舞台は1年1ヶ月振りで、病気の後初めてですので、とても嬉しいです。精一杯、勤めさせていただきます。なぜか今までそういうお役に巡り合えなかっただけですが、今回、初めて宙乗りをさせていただきます。高いところは苦手ですが、本番では、お客様の声援とか気が伝わってきますから、きっと恐怖心無くなって飛べると思います(笑)。

 12月18日に子供が生まれまして、ドタバタする生活でございます。名前は父の本名(小川三喜雄)と母(陽子)から一文字ずついただきまして、「陽喜」とかいて「はるき」と読みます。すくすく、のびのびと大らかに育ってもらえれば嬉しいですね。



市川右團次
 今年の1月に市川右團次を襲名させていただきました。再び来春1月に新橋演舞場で、お目出度い月にお芝居をさせていただけるということはとても嬉しいです。全6役させていただきますので、体調管理をしながら頑張っていきたいと思います。

 今回、初めて宙乗りをする獅童さんへ。宙乗りをする際に連雀という装置を体に付けますが、きちんと装着しないと・・・私も気を失いそうになりました(笑)。今はワイヤー一本で電車の車両が吊れるぐらい丈夫なようですので安心してください。テストや練習の時は怖いですが、本番が始まるとお客様の声援で飛んでいるような気になりますよ。


【宮本亜門】
 Bプロの『日本むかし話』を演出させていただきます。この『日本むかし話』を通し狂言でやるのは初めてで、次々といろいろな展開があって面白いです。このメンバーと正月を一緒に居れる嬉しさよ!という感じで、熱い正月になると思いまし、強烈だと思います。演出家冥利に尽きるという感じですかね。

 『日本むかし話』は4年ぐらい前から、海老蔵さんの自主公演で一つひとつ組み立ててきて、やっと全部通しで出来るということになりました。日本昔話を変わった方向で、まったく違う視点でやるので、観に来てくれたお客様は驚くと思います。海老蔵さんと一緒に、いろいろと考えながら創りました。こんなに面白いのか、こんな視点もあるのかと、ご家族全員で存分に楽しんでいただけると思います。

 何が面白いかって、海老蔵さんが犬なんですよ。桃太郎の犬(シロ)なんです。その犬が花咲か爺さん(花咲翁物語)に絡んでくるわけです。「枯れ木に花を咲かせましょう」という名文句がありますよね、あそこにどう話を繋げていくかというところがみどころです。「ここ掘れワンワン」もありますし、あらゆるものがそこに詰まっています。最後は、とにかく今の日本に元気をつけたいという感じで花を咲かせます。