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錦之助、孝太郎、隼人が意気込みを披露~6月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎十八番の内 毛抜」

 昨年、開場50周年を迎えた国立劇場。開場翌年の昭和42年(1967)にスタートし、毎年開催してきた「歌舞伎鑑賞教室」も、本年で50年目、6月で第91回を迎えます。
 6月歌舞伎鑑賞教室「歌舞伎十八番の内 毛抜」の上演に先立ち記者会見が行われ、平成17年6月の「歌舞伎鑑賞教室」で、初役で粂寺弾正を勤めた中村錦之助、「歌舞伎鑑賞教室」の出演が今回で10回目となる片岡孝太郎、今回「歌舞伎のみかた」の解説も勤める中村隼人が、意気込みを披露しました。

【中村錦之助】
 この度『毛抜』で、粂寺弾正を勤めさせていただきます。『毛抜』の粂寺弾正は、12年前に一度勤めさせていただきました。監修の(十二代目市川)團十郎のお兄さんに手取り足取り教えていただいた事を一つ一つ思い出して、教わった通りに勤めていきたいと思っております。そして、皆様に「良かった」「こういう一面もあって面白いね」と思っていただけるような『毛抜』にしてみたいと思います。

 團十郎のお兄さんからは、「出が肝心。思い切り息を吸って、バッと出るように」など、出た瞬間に、十八番の粂寺弾正に見えるためにはどうしたらよいかを教わりました。
 『毛抜』は、江戸歌舞伎の最たる物、荒唐無稽で見た目も楽しい、江戸時代のご見物の方たちは、こういうお芝居を見て楽しんだのでしょうね。

 高校生や中学生の方には、ライブを観に来るように、どんなジャンルでも、観て楽しめると言うことを知っていただきたい。歌舞伎を生で観て、心が動くという経験をしておけば、将来に繋がると思います。歌舞伎は、その人の人生を変えられるだけの力を持っていると思うので、そういう物に若いうちに触れて、何かを感じてもらいたいと思っています。
 今回「Discover KABUKI」に初めて出演します。今まであまり外国の方から感想をうかがったことが無いので、今から楽しみにしております。


【片岡孝太郎】
 鑑賞教室には今回で10回目となります。今回、腰元巻絹を勤めさせていただきますが、大人の魅力と強さを備えた、また、色気のある美しい腰元です。粂寺弾正に、「この女いいな、ちょっと触ってみたいな」と、思っていただけるような素敵な女性を演じられたらと思っております。

 『毛抜』は、日本人の方だけでなく、海外の方も含めて、初心者の方に分かりやすい作品です。多くの役柄が出てきますし、立廻り、ツケ打ち、見得など、歌舞伎の要素がふんだんに含まれていて、本当に皆様が楽しめる作品だと思っております。

 「Discover KABUKI」は、2年前の第1回の時に出演させていただきました。客席の外国の方たちを見ていると「ここで日本の歌舞伎を観て帰るぞ!」という気迫を感じます。
 今回はスペイン語のイヤホンガイドも増えますし、多くの外国の方に歌舞伎を、このお手頃な価格で楽しんでいただけたら嬉しいなと思っております。


【中村隼人】
 『毛抜』では秦秀太郎を勤めさせていただきます。去年の「新春浅草歌舞伎」で、秀太郎の父親の秦民部を勤めました。今回は、柔らかさを出せるように、少しでも新しい物を吸収したいと思っています。

 「歌舞伎のみかた」の解説は今回で3回目ですが、一人で出演するのは初めてです。最近、スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』や、ラスベガス公演に出演し、エンターテインメントを学んでいるところです。歌舞伎の魅力を、どうやったら伝えられるのかも、少しずつ分かってきているので、それを自分で体現できるように、そして、“歌舞伎はエンターテインメントだ”ということを伝えられればと思っています。

 初めて壱太郎のお兄さんと解説を行ったとき、私も高校生でしたが、その解説を聞いた学校側から何百枚もの感想文がとどきました。「解説を見ていくうちに面白くなって、凄く楽しめました」といった意見が大半で、「自分たちがやっていたことが成功した!」と、とても嬉しかったのを覚えています。
 当時の学生たちが社会人になって、今も歌舞伎を観に来てくれています。今回もまた将来に繋がるように、そういう解説をしていきたい、そういう公演にしていきたいと思っています。