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新橋演舞場7月公演「七月名作喜劇公演」製作発表記者会見が行われました


 7月の新橋演舞場は「 七月名作喜劇公演(3日~25日)」と銘打ち、『お江戸みやげ』『紺屋と高尾』の2作品が上演されます。今回は、新橋演舞場に初出演となる浅野ゆう子をはじめ、劇団新派からは波乃久里子と喜多村緑郎、歌舞伎からは市村萬次郎が出演します。4月17日(月)、都内にて製作発表記者会見が行われ、浅野ゆう子、喜多村緑郎、波乃久里子、市村萬次郎が公演に向けた意気込みを語りました。

【浅野ゆう子】
 私の夢でありました新橋演舞場の舞台に立ってみないかというお声を掛けていただき、とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです。大先輩の波乃さんが高尾太夫を演じていらっしゃるので、いろいろとご指導をいただきながら演じたいと思います。緑郎さんは新派に移られた時に公演を拝見させていただいて、ぜひ一度ご一緒させていただければと思っておりました。
 花魁は初めてで、自分は背が大きく、また現代の芝居が多い私が古風な芝居が出来るかどうか不安ではございますけれども、7月は喜劇でお楽しみいただければと思います。

 先日、写真を撮るので扮装させていただきました時に、あまりの重さにびっくりしました。まず、7月までに首と腰を鍛えようと思います(笑)。カツラが約5㎏、大きい帯と打掛が約20㎏だそうです。全身で25㎏のものを着て、高い下駄には、とてもじゃないですけれども一人では乗れません。
 そして、下駄をはかせていただいてお写真を撮る間、待ち時間の時などは、体を支えるためのバーにつかまっていました。本番の時はもう少し軽くしますとおっしゃっていただいきましたが、メイクさん曰く「そう軽くはなりませんよ」ということでした。これは鍛えがいがあるなと思っています。
 体力勝負といいますか、この重さに勝てるだけの芝居が果たしてできるかどうか、とても不安なのですけれども、衣裳を着させていただいてとても良い気分です。ありがとうございます。


【波乃久里子】
 『お江戸みやげ』は、父(十七代目中村勘三郎)が出演したものを見た時に、これは女優では無理だなと思っておりました。藤山直美さんがなさると聞いて、凄く楽しみにしておりましたが、ご病気になられて、私がやることになりまして・・・直美さんにも「大船に乗ったつもりで!」と言ってあげたいのですが、本当に小舟にもならないかもしれません。でも、一生懸命させていただきます。
 どうか7月の公演が盛大にできるように、大勢のお客様に劇場に足をお運びいただき、直美さんを安心させてあげてください。よろしくお願いいたします。

 父が演じた時のお辻が荷物を持って立っている絵のような写真があるのですが、これが、お辻の人生が見えるように立っているんですね。悲しさがあって、すごい写真です。それで父と同じようにしたくって、肉を着ようと思ったら、私の方が太っていました(笑)。メイクも全部父と同じようにしてもらいましたが、芸まで同じようになるかはわかりません。本当に凄いお役なので、どうやったらよいか(演出の)大場先生に身を任せてやらせていただきます。
 萬次郎さんと共演できることも本当に嬉しいです。10代から仲の良い二人ですので、二人のところは絶対に演技なしで出来ると思います。喜多村さんには普段から惚れていますから大丈夫です。チームワークはとても素晴らしいと思います。


【喜多村緑郎】
 『お江戸みやげ』の阪東栄紫、『紺屋と高尾』では紺屋職人の久蔵を勤めさせていただきます。片や一身に惚れられ、もう一方は一身に溺れ抜くという、そんな二つの大役をいただきました。特に紺屋の久蔵は、尊敬する藤山寛美先生の当り役ですので、手も足も出ないのはよくわかっております。でも真っ向から“当たって砕けろ”の精神で、精一杯勤めたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
 久蔵に関しては、とにかく寛美先生の凄い姿しか焼き付いていません。喜劇ですのできっちりと芝居をして、その結果その人の人生や役柄が笑いを誘えるようになればと思います。


【市村萬次郎】
 いろいろな分野の方々とお芝居をさせていただくのは本当に楽しみで、7月の舞台を心待ちにしております。人が人を好きになるということは良いことだと思います。また、好きになられるということも素晴らしいことだと思います。この作品の中で、人が好きになったり、好きになられたり、それを傍からちょっと見ているという役も面白いのではないかと思っております。歌舞伎の方から参加させていただきますので、皆さんと一つになって舞台を作り上げることができればと思っております。

 私はお酒が凄く好きですが、おゆうもお酒が好きで、明るく喜劇ですから自然なおかしみが出ればなと思います。お酒を飲むと、お辻の方が本当はもっと度胸がすわってしまうわけですから、その辺は二人で無理におかしく作るのではなくて、自然に笑いが出るようなおかしみで楽しくできればと思っています。


 なお、同公演に出演を予定していた藤山直美さんから書面でコメントが寄せられました。「この度は病気と云うプライベートな事柄で7月の新橋演舞場公演を降板させて頂く事となりまして、誠に申し訳ございません。共演予定でした役者さん方にも本当に多大なるご迷惑をおかけすることとなり、お詫び申し上げます」と胸の内を語りました。
 さらに「市村萬次郎さん、波乃久里子さん、喜多村緑郎さん、そして浅野ゆう子さんと、お客様を喜ばせるプロフェッショナルの方々がご出演されるので素晴らしい舞台に成ると思います。このお顔ぶれの舞台企画は病気療養中の私にもパワァーを頂く事が出来ます。私も治療に専念いたしまして万全の体調でまた、皆様にお会い出来ます様に頑張りたいと思っております(一部抜粋)」と出演者への激励と早期復帰への意欲を見せました。