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歌舞伎座5月公演「團菊祭五月大歌舞伎」取材会が行われました


 歌舞伎座5月恒例の「 團菊祭五月大歌舞伎」。今年は七世尾上梅幸二十三回忌、十七世市村羽左衛門十七回忌追善興行として行われます。また尾上菊五郎の孫、寺嶋眞秀が『魚屋宗五郎』の酒屋丁稚与吉役で初お目見得します。4月4日(火)都内にて取材会が行われ、菊五郎、尾上菊之助、寺嶋眞秀が公演に向けての思いを語りました。

【尾上菊五郎】
 今年の歌舞伎界は正月から襲名、追善、初舞台と毎月のようにお祭り騒ぎでございます。5月は三人の襲名と一人の初舞台、一人の初お目見得、そして父(七世尾上梅幸)とおじ(十七世市村羽左衛門)の追善興行と、お祭り騒ぎの集大成のようでございます。今回團菊祭で、二人に所縁のある狂言を出来ることは非常に嬉しく思っております。
 父の当り役は何と申しましても『仮名手本忠臣蔵』の塩冶判官、女方では『摂州合邦辻』のお辻(玉手御前)、そして『藤娘』です。祖父の『藤娘』はしっかりと傍で見て覚えて踊っておりました。『道成寺』もそうですが、しっかりと守るべきところは守る正確な演技、加えて歌舞伎の本質を見つめた端正な芸でございました。そして(二世尾上)松緑、羽左衛門という二人の立役とともに、菊五郎劇団というものを上手くまとめていった、気遣いの人のような気がします。
 孫の初お目見得については、まだ本格的な役者になるのかどうかはわかりませが、当人に熱意があるので、出演させることになりました。今は、好きなようにやってくれればと思っています。

【尾上菊之助】
 團菊祭が今年も行われることを本当に感謝しております。今年は羽左衛門のおじ様と祖父の追善、また襲名や初舞台、初お目見得が控えております。この公演で祖父に所縁のある静御前、政岡を勤めさせていただきます。
 祖父の静御前の印象は、非常におおらかさというものを感じておりました。静御前はお姫様ではなく白拍子なので、そういうところに注意をしなければいけませんが、祖父のように真似をしようと思っても中々出来ないですね。技巧的にも積み重ねてきたものが、あのようなおおらかな芸になったのだと思っております。
 政岡については、やはり母性ですかね。武家の社会に生きている建前の部分と、死んだ自分の子供と対峙した時の本当の自分の感情が出てくる母性の部分という、本音と建前の使い分けというのが非常に素晴らしかったと思います。
 祖父に教えていただいたものは少ないですけれども、記憶に残っているのは『道成寺』のお稽古をしていただいた時、どこが良い、どこが悪いとかを言うのではなく、とにかく繰り返しお稽古をして自分の体に覚えさせるということをご指導くださいました。また、普段の祖父は非常にやさしくて穏和で、笑いが絶えない人でしたが、お稽古に入る時にメガネをはずすと表情が一変して、とても厳しかったことを覚えています。
 菊之助襲名をする前年に祖父が亡くなっているので、襲名で祖父と共演出来なかったことが心残りでした。この二十三回忌で、祖父への恩返しの気持ち、感謝の気持ちを持って、祖父に所縁の狂言を勤めたいと思っております。

【寺嶋眞秀】
 寺嶋眞秀(てらじままほろ)です。どうぞよろしくお願いします。歌舞伎のお稽古は楽しいです。セリフも覚えました。大きな声も出せるようになりました。歌舞伎役者になれるように頑張ります。
 大きくなったら・・・仮面ライダーになりたいです!