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愛之助が意気込みを披露~明治座「五月花形歌舞伎」


 今年で7年目を迎える「 明治座 五月花形歌舞伎」。今回は片岡愛之助を中心に、昼の部では初めて歌舞伎として上演される『月形半平太』、愛之助が家元を継承した楳茂都流に伝わる『三人連獅子』。夜の部は通し狂言『南総里見八犬伝』が上演される楽しみな舞台。公演に先立ち制作発表記者会見が行われ、愛之助が意気込みを披露しました。

【片岡愛之助】
 明治座は、こけら落としに出演させていただいたご縁もあり、本当に大好きな劇場です。
 明治座のお客様が好きそうな歌舞伎は何かと探していたところ『月形半平太』というお話しをいただき、まさに「これしかない!」。ただ殺伐としただけでなく、少しはんなりしたところもあり、さらに大立廻りもありと、楽しめる要素がいっぱいのお芝居です。
 楳茂都流『三人連獅子』は、先代の家元が亡くなってから上演機会が少なくなっておりました。家元を継がせて頂いた私の使命でもあり、また、こうした歌舞伎舞踊をできるだけ知って頂きたいという思いから上演させていただきます。いつもの連獅子とは違い大道具も松羽目ではなく石橋を用いますし、父・母・子が出るので、親子の情愛がより深く分かるように描かれております。
 夜の部は通し狂言『南総里見八犬伝』で犬山道節を勤めさせて頂きます。初めてご覧になる方にうってつけの作品でございます。出演者全員、朝から晩まで汗まみれになって頑張りたいと思っております。

 自分ではまだまだ若手だと思っていますが、改めてチラシを見ると本当の意味での若手が大勢出演しています(笑)。さらに鴈治郎兄さんや亀蔵さんもご出演くださっているので、安心して舞台に出ることができます。
 若手の皆さんにはそれぞれの役を楽しんで膨らませていってほしいと思っています。こういうチャンスを頂いた時に、「ああしなさい、こうしなさい」と上からダメ出しをして統制をとるのは簡単なことですが、それをやり過ぎると全部私一色になってしまいます。
 彼らの思ったアイデアが出てくるように、私は良い意味で引いて、役を膨らませていくスペースを作ってあげたい。もし枠からはみ出し過ぎてしまったら、その時は「それはちょっとおかしいんじゃないか」と注意をしたいと思っています。役を楽しんで演じていることはお客様にも伝わりますし、そうやってのびのびとお芝居をすることが明日に繋がっていくと思います。座頭の責任というのはそういうものなんじゃないかと思っています。