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4月大阪松竹座『コメディ・トゥナイト!』取材会が行われました


 大阪松竹座4月公演は、ブロードウェイ・ミュージカル『コメディ・トゥナイト! ローマで起こったおかしな出来事《江戸版》』を上演します。今月新橋演舞場で大好評上演中のミュージカルが、引き続き大阪でも上演されます。
 1962年に初演された本作品は、トニー賞6部門を受賞し、現在でも再演を重ねているミュージカルの傑作。今回は設定を江戸時代に置き換えた<江戸版>の上演という日本初の試みが実現しました。
 さらに演出は宮本亜門、出演はミュージカル初挑戦の片岡愛之助をはじめ、内博貴、平野綾、ダイアモンド ユカイ、鈴木壮麻、ルー大柴、徳井優、松田美由紀、高橋ジョージらという豪華な顔ぶれ。3月8日(水)に都内で取材会が行われ、愛之助が作品への思いを語りました。

【片岡愛之助】
 今回、3月新橋演舞場、4月大阪松竹座でそれぞれ上演いたします。初めてのミュージカルですから、実際にお客様が入ってどこで笑ってくださるかが予測不能で心配でした。
 先日、新橋演舞場の初日が開いて、ようやくホッとしました。ここで笑ってくださるんだ、こんなところも笑ってくださるんだと、いろいろな発見をしながら非常にお客様に助けられています。出演者、スタッフみんなで、楽しみながらお稽古して創って参りました。初日が開いてからは、お客様と一緒に、毎回一つの舞台を創り上げることができていて、幸せだと思っております。
 丁稚の丁吉はお調子者で、口八丁手八丁、瞬間瞬間を考えて切り抜けていくような人です。何も考えていないのに、いま思いついたことをあたかもずっと考えていたようにワザとらしく・・・そういうあざとさがある役は、今まで演じたことがなく、やっていてとても面白いです。

 “ミュージカルで片岡愛之助が歌う!”と皆さんに言われますが、“歌いあげる”というより、どちらかというと、芝居の流れの中で歌っています。
 実は、お稽古前に音符にあわせて自分なりに歌のレッスンをしていたのですが、いざお稽古が始まると、亜門さんから「愛之助さん、歌わないでください。歌を全部なかったことにして、セリフで語ってください」と・・・“エッ、今までやってきたことは何?”と思っていたら、「歌えない人がそうすると、ただのセリフになってしまう。歌が完成した上で一度全部壊してセリフに音譜を付けるので、そういう感じで語りかけるように歌ってください」と。
 書道でも、いきなり行書は書けないですよね。やはり楷書からきちっと書いてそれを段々サッと書いていくという、そういうことなのかと、非常に勉強になりました。
 さらに、亜門さんからは「頑張らないでください。適当に、楽しみながらやってください」というダメ出しもいただいています。

 ミュージカルは、そもそもは僕がお願いした企画です。そうしたら亜門さんとやりませんかと提案があり、願ったりかなったりでお願いしますということになりました。
 私がお願いしたのは、明るいもの、笑えるもの、コメディ的なもの。それにしても、ブロードウェイの作品の設定を江戸版に置き換えるなんてありえない話ですね。ところが亜門さんは作詞・作曲のソンドハイムさんと凄く仲が良くて、ソンドハイムさんがこの作品を創られた時に「これを日本に置き換えたら面白いだろう、亜門、やりなさいよ。江戸とかチョンマゲを・・・」ということを言われていたそうですが、「これをチョンマゲでやる役者がいない」と亜門さんも思っていたそうです。
 それで私と組むことになって、“アッこんなところにいた”ということですぐにこの作品を持って来てくれました。最初、作品を見た時は肥ったおじさんが4人で歌って踊っていて・・・凄いところにいっちゃったなと思いましたが、亜門さんが一生懸命、書き直してくださって、さすが亜門さん!最初のミュージカルが亜門さんで良かったと思っています。

 私は歌舞伎俳優ですので、本業をやりながら、できれば幅広くいろいろなことをしていきたい、そして観てくださるお客様の層を広げて、それがすべて歌舞伎に還ってくればいいなと思っています。
 亜門さんや、出演者をはじめとする皆様のおかげでこの作品が出来上がり、それが新橋演舞場で幕を開け、そして、私のホームグランドの大阪で“初ミュージカル”ができるということをとても嬉しく思っています。絶対に大阪の方々にも楽しんでいただけると、自信を持ってお勧めできます。
 頭を使うことのない作品です。とにかく難しいことは何もありません。むしろ、変な人しか出てきません(笑)。ですからストレス発散にもなりますし、全てがハッピーなので力が湧いてくると思います。是非、元気をつけに、劇場に足をお運びください。