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波乃久里子さんが旭日小綬章を受章


 11月3日(木・祝)、新派女優・波乃久里子が旭日小綬章を受章することが発表されました。

 私は芝居が好きで好きで、自分の好きなことをしているだけなのにこのような章をいただくことになり、私ぐらい幸せな人はいないのではないでしょうか。そして、本当に素晴らしい脚本に恵まれたこと、北條(秀司)先生や川口(松太郎)先生、素晴らしい先生方にも恵まれました。そして、良い芝居をやらせていただいた劇団新派に感謝しています。

 初代水谷八重子先生が演じた作品は何より好きです。八重子先生は私の中では“神”。先生が女優として出演して良かった作品は全部やりたい。80歳を過ぎてやるのも夢・・・先生のものは生涯やらせていただきたいと思っています。
 欲張りなんです私。歳の割にはまだ30代ぐらいにしか思っていませんし(笑)。まだまだ、新派に限らずやりたいものがいっぱいある。何でもやりたい、ありとあらゆることをやりたい。芸の壁みたいなものは感じたことがないんですよ。壁ってなんだろう・・・仕事だと思っていないのかもしれませんね。

 父(十七世中村勘三郎)からは「女優をやるなら親の死に目に会えない女優になれ」と言われました。良い役を演じている時は代役がきかないじゃないですか、だからだと思います。弟(十八世中村勘三郎)は「姉ちゃんは守ったらつまらない役者だよ、攻めてろよ、攻めてろよ」と言っていました。弟は受章とかそういうものには全く無頓着な人でしたから、そんなに喜んでいないかもしれませんが、父は好きでしたから・・・父が一番喜んでくれているでしょうね。
 これからも、良いお芝居を皆さんに観ていただきたいし、新派に限らず演劇そのものをエネルギッシュに生きていきたいですね。