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幸四郎、梅玉が舞台の成功を祈願~国立劇場開場50周年記念10月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』


 国立劇場10月歌舞伎公演『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』第一部に出演する、松本幸四郎中村梅玉が、兵庫県赤穂市、赤穂大石神社を訪れ、舞台の成功を祈願しました。

 『仮名手本忠臣蔵』は、赤穂藩藩主・浅野内匠頭(塩冶判官のモデル)が江戸城で吉良上野介(高師直)に刃傷に及んだことから、浅野家がお取りつぶしとなり、苦労の末に大石内蔵助(大星由良之助)ら赤穂四十七士が吉良を討ち取った史実をお芝居にしたもの。
 訪れた赤穂大石神社は、大石内蔵助をはじめとする赤穂四十七義士らを主祭神とし、赤穂城三の丸、かつての大石内蔵助、藤井又左衛門両家老屋敷跡に鎮座しています。

【松本幸四郎】
 国立劇場の50周年『仮名手本忠臣蔵』四段目で大星由良之助を勤めます。今回は30年前の20周年以来、画期的な忠臣蔵の通し狂言です。塩冶判官を勤める梅玉さんをはじめ、みなさんと一緒に心して演じたいと思っています。
 大星由良之助は何度かさせていただいておりますが、役者の技量とか、芸とかそういう技術的なものでは、とてもとても、しおおせられない大役中の大役のひとつです。

 赤穂浪士のように日本人には“覚悟”を持った人が多かったように思います。大げさなことを言うようですが、今回の公演が、この後、本当の赤穂浪士が日本人の心に残っていくのか、それともただ単に仇討ちをした浪士として、上辺だけで続いていくかの瀬戸際にきているように、本日お参りをしながら感じました。50周年という節目に忠臣蔵で大きな役をさせていただく“覚悟”を持って勤めたいと思います。

 国立劇場が50年。いままで多くの研修生を育成し、通し上演という形を確立し、歌舞伎劇のグレードを上げるために力を注いでくださいました。大変な功績だと思います。
 一説によると、赤穂浪士は時の幕府、時の権力の理不尽さに立ち向かったといわれています。そう思うと何か小気味良く、胸がスカッとしますし、そうした感覚が歌舞伎には残っているように思います。これからも皆さんのお力をいただいて、多くの方に歌舞伎を愛していただけるように努力していきたいと思っています。



赤穂大石神社での成功祈願

【中村梅玉】
 50周年記念の公演で『仮名手本忠臣蔵』の塩冶判官をさせていただくということは、本当に大きな喜びでございます。思い起こせば国立劇場20周年の通し上演では大星力弥で出ておりまして、父(六代目中村歌右衛門)も九段目(山科閑居)の戸無瀬を勤めておりました。そのときの忠臣蔵は今や伝説となっている程の大舞台でございまして、今回は50周年、高麗屋の兄さん(幸四郎)を筆頭に、なんとか後世に残るような、いい舞台を勤めなければいけないと、今その緊張感を持っております。

 塩冶判官は、ある意味一番大切にしているお役で、大先輩の尾上梅幸のおじ様に手とり足とり教わりました。なかなかああいうところにはなれませんが、なんとかそれを目指して、一所懸命勤めさせていただきます。
 切腹の場面は“儀式”をおみせする場面ですから、そういうところをきちっと演じるということも大事だと思います。

 50年前、“ナショナルシアター”が日本に初めてできたときの先輩たちの念願悲願はすごいものだったと思います。それこそ日本文化の象徴のような劇場ですから覚悟をもって、日本の文化を代表する歌舞伎を我々が担っているという誇りを持って、いつも舞台に立たせていただいています。


★ご観劇のご参考に、こちらもご覧ください。
【歌舞伎演目案内】:仮名手本忠臣蔵
※この案内は、実際の公演の内容、配役とは異なります。