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愛之助が新橋演舞場十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』への思いを語りました


 10月新橋演舞場で上演される花形歌舞伎『 GOEMON 石川五右衛門』。公演に先立ち記者会見が行われ、石川五右衛門を演じる片岡愛之助と、作・演出の水口一夫が思いを語りました。

【水口一夫】
 『GOEMON』の再演を重ねることができて非常に幸せです。今回の東京では、前回の大阪松竹座よりもさらにパワーアップした『GOEMON』を皆様にお見せしたいと考えております。

 宣教師カルデロンという神父と、明智光秀の家来・四王天但馬守の娘である石田の局との間に出来た子供が五右衛門という設定です。もともと江戸時代の随筆に、五右衛門の師匠に当たる人が赤毛であったと書かれていた事にヒントを得て、赤毛の五右衛門が誕生しました。
 そしてもう一つは“フラメンコ”。昔、スペインを旅した時にフラメンコを聴き、踊りを見て、その土着的な匂い、音のイメージに、何か太棹(三味線)の響きと共通するものを感じ、これで歌舞伎が出来るのではないかなと思っておりました。以来数十年、ようやく実現したフラメンコの登場。この二つがこの作品の大きなポイントになっています。

 共演の今井翼さんには新しい形で舞台に参加していただきます。今までは神父、五右衛門のお父さんを演じていたので、成人した五右衛門(愛之助)と接点がありませんでした。今回はぜひ2人に顔をあわせてお芝居をしていただきたいと、翼さんに二役演じていただき、2人が同じ舞台に乗る場面を新しく脚本に付け加えさせていただきました。これが今までの『GOEMON』と一番大きく違うところとなっています。


【片岡愛之助】
 今回で4度目となる『GOEMON』、初演のシスティーナ歌舞伎で、どのようにすれば良いのか水口先生と話し合いを重ねながら創り上げた作品です。システィーナ礼拝堂というアリーナスタイルの舞台の中で創られた作品ですので、再演の際に通常の舞台にかける事が大変難しかったのですが、さまざまな問題を乗り越え、そして今井翼さんにもご出演いただき、さらに今回は東京で再演ができるということで非常に嬉しく思っております。

 今回は今井翼さんに二役勤めていただきます。翼さんの魅力を生かした配役で霧隠才蔵。五右衛門とどうなるのかは観てのお楽しみです。
 普通の五右衛門とは設定が違います。設定が違う中でも、いろいろな場面に歌舞伎のパロディも入っていて、初めて歌舞伎をご覧になるお客様、そして普段から歌舞伎を観ているお客様、どちらの方にも楽しんでいただけるようになっております。

 最初はフラメンコと歌舞伎は、全くかけ離れた対極のものだと思っておりました。それが一から教わっていくうちに、フラメンコが魂の叫びであること、さらには足で踏みならす動きが自分達の喜怒哀楽の表現であることなど、歌舞伎と共通している点が非常に多い事を知りました。
 掛け声や手の動きなど本当に難しく、日々勉強なのですが、今回はさらにパワーアップしたフラメンコの振付をお願いしておりますので、非常に楽しみにしております。