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時蔵、松緑が「公文協中央コース」への思いを語りました


 「平成28年度(公社)全国公立文化施設協会主催 中央コース 松竹大歌舞伎」(6月30日~7月24日)では、「歌舞伎の見方」『鳴神(なるかみ)』『文売り(ふみうり)』『三社祭(さんじゃまつり)』が上演されます。
 公演に先立ち、記者会見が行われ、中村時蔵尾上松緑が意気込みを披露しました。

【中村時蔵】
 巡業で伺う地域にも、歌舞伎に興味を持っている方が大勢いらっしゃると思います。今回は「なるべく分かりやすく」を考えて演目を選びました。最初は「歌舞伎の見方」。初めて観る方に歌舞伎のルールを解説し、演目紹介も交えながら、楽しく理解していただきたいと思っています。

 私が出演する『文売り』は、坂田公時(金時)、つまり“金太郎”のお母さんの役で私も度々させていただいている、家の芸の『嫗山姥(こもちやまんば)』から題材をとった風俗舞踊です。人のために文を書き、「私がラブレターを書けば、必ず恋も叶うよ」と・・・面白いシチュエーションですね。風俗舞踊は短くて軽くて、観ているお客様に楽しんでいただけるのでとても好きですが、その代わり、その役にみえなければいけないというのが難しいところです。

 巡業では1回公演の日もあるので、空いている時間があれば美術館などにも伺いたいと思います。1日休みがとれれば好きなゴルフもやろうかなと思っています。食べるのも楽しみですし、今回は気心の知れた仲間同士ですので、毎晩酒盛りになるのではないかなと思います(笑)。


【尾上松緑】
 最初に「歌舞伎の見方」を見て、“歌舞伎ってこういう見方をすればより面白くなる”ということを分かったうえで、『鳴神』『文売り』『三社祭』という3つの演目を観ていただけると、次に観劇するときも、“なるほど、これはこういう約束事だね”ということが分かっていただけると思います。初めての方も気後れせずに楽しんで観にきていただければと思います。

 『鳴神』で鳴神上人を勤めます。歌舞伎十八番というと“荒事”のイメージがありますが、鳴神上人が荒れるのは後半のみ、最初のうちは上品な上人様です。祖父(二代目尾上松緑)が勤めた時はわりとすっきりとした感じでしたので、私もそのように勤めたいと思っています。
 山奥で修行している上人が、女性とお酒でだんだんと堕落して、最後には騙されたことが分かって大荒れになる様子が分かりやすく描かれている作品ですので、上品なところから堕落していくさまというのを、面白くお客様にわかるように演じ、最後の立廻りなどはダイナミックで派手に勤めたいと思っています。