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『もとの黙阿弥』愛之助ら出演者が思いを語りました


 8月新橋演舞場9月大阪松竹座で上演される『もとの黙阿弥』。公演に先立ち記者会見が行われ、片岡愛之助、早乙女太一、貫地谷しほり、真飛聖、浜中文一(関西ジャニーズJr.)、波乃久里子が意気込みを披露しました。

【片岡愛之助】
 井上ひさし先生の『もとの黙阿弥』の舞台は観たことはありませんが、資料で拝見したところとても面白く、さらに初演がおじの(片岡)仁左衛門ということで、ご縁を感じております。また、演出の栗山民也先生とは今回で3度目、すごく素敵な楽しい演出家さんで、またお仕事ができることを嬉しく思っています。
 男爵家の跡取り河辺隆次を勤めます。早乙女太一さん演じる書生の久松と舞台で入れ替わって登場する場面もあり、河辺が久松を演じるところの絶妙な具合が難しいですし、またその中で河辺がちらりと見え隠れするのもお芝居として楽しいところだと思います。

 座頭ということはあまり意識はしませんが、みなさんと仲良く楽しくお芝居ができればと思います。みなさんが円滑に、そこから楽しい空気が出ていればお客様にも分かるはずですし、それが作品の盛り上がりにもつながると思います。
 8月9月、新橋演舞場から大阪松竹座にかけて、一丸となって、楽しい、笑いあり涙ありの舞台を勤めていきたいと思います。久しぶりにご覧になられるような懐かしい笑いもあり、きっとお客様も気分爽快になると思います。

【早乙女太一】
 歴史ある大切な作品に出演できることを、とても幸せに思っています。また、今まで挑戦したことのない色のお芝居でもあり、自分としてもチャレンジの気持ちをもってがんばるつもりです。
 井上先生の作品は初めてですので、今回存分に味わいたいと思っています。台詞量も多く、それを2ヶ月80公演すると思うと少し不安も感じますが、それだけチャレンジができるということにもなるので、様々なことを舞台で探り見つけたいと思っています。

【貫地谷しほり】
 長崎屋お琴を演じさせていただきます。舞台のスペシャリストのみなさんとご一緒できてすごく緊張していますが、楽しみでもあり、いまからお稽古が始まるのをワクワクしながら待っています。
 台本がすごく面白く、それをどうやってお客様に伝えるかを、お稽古で毎日考えていきたいと思います。井上先生の作品は2度目で、『泣き虫なまいき石川啄木』というお芝居に出演させていただいたのですが、最終日に「ああ、あと3日あったら、もっとなにか分かったかもしれない・・・」と思いました。今回は悔いが残らないように、もっと自分の中で深めていけるようにがんばりたいと思っています。

【真飛聖】
 宝塚時代、着物でのお芝居の経験はありますが、その時は男役で・・・初めて女性として、舞台で着物を着て立ち振る舞いをすることになり、男が出ちゃうのではないかと不安を抱えています。
 井上先生の作品も、栗山先生の演出の作品も初めてでドキドキしています。私の演じるお繁という女中がお嬢様と入れ替わるのですが、ちょっとお嬢様ぶっているけど不慣れな部分が出てしまうところが、演技なのか、必死なのか紙一重(笑)。そこを上手く演じられたらなと思っております。

【浜中文一】
 野菜売りの安吉を演じます。最初に出演のお話を伺ったとき、“野菜の棒手振り”と書いてあったので、早乙女太一さんと戦うのか・・・立廻りめちゃめちゃ上手いから、今回の舞台で命を落とすのでは・・・と思ったのですが、実際は野菜を売るということで、ちょっと安心しています(笑)。
 こんな自分でもいいのかなと思いながらですが、みなさんと一緒に、必死にがむしゃらにやっていきたいと思います。

【波乃久里子】
 私は30年程前の初演を見ておりますが、その時、「なぜ私が入っていないの」とプロディユーサーにくってかかったくらい、出演したいと思っていた作品です。今度実際に台本を読んでみると・・・見るとやるとは大きな違いですね、本当に大変な役です。私が歌舞伎仕立てで、新劇仕立ての河辺の姉の賀津子さんと戦うシーンがありますが、江戸を引きずっている女を、古風で面白く演じられたらいいなと思います。
 芸は人なりといいますが、愛之助さんにかぎり、本当にお人柄が舞台に出ています。だから皆さんに愛されていますし、人を愛する良い座頭さんだと思っています。