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「日中友好 京劇・歌舞伎 北京公演」に菊之助が出演します


  4月2日(木)と3日(金)の2日間、中国・北京にある梅蘭芳大劇院で、「日中友好 京劇・歌舞伎 北京公演」が行われます。日本の歌舞伎と中国の京劇という、両国を代表する伝統演劇をそれぞれ一演目ずつ上演するこの公演。歌舞伎は尾上菊之助による『春興鏡獅子』、京劇は国家京劇院による『覇王別姫』(はおうべっき)が2日、『大登殿』(だいとうでん)が3日に上演されます。
 日中の伝統演劇の公演を通じて両国の文化の相互理解、友好親善をはかる舞台に向け、菊之助が会見で意気込みを語りました。(上写真:記者会見で撮影に応じる左から大谷信義松竹(株)会長、尾上菊之助、中曽根弘文元外相)

 日中友好の架け橋として、北京でこの度『春興鏡獅子』を踊らせていただくことになりました。歌詞に出てくる「清涼山」は中国の山、日本の古典の作品は中国と深く関わっている事を再確認いたしました。今回は花道がないので、背景に清涼山を描いていただき、清涼山から獅子が出るという構図にさせていただきます。こうして日本代表としての役目をいただいた以上、日中友好に全力を尽くす所存です。

 京劇は中国の誇る文化、歌舞伎は日本の誇る文化、芸術を通じての日中友好というのは、とてもありがたいことです。祖父(七世尾上梅幸)も日中平和友好条約締結後の昭和54(1976)年に日本の文化使節として中国を訪れ、『鏡獅子』の舞台を勤めています。思い入れの強かった演目を文化使節として北京で踊り、きっと祖父も気持ちが高揚したと思います。市川團十郎家の財産、歌舞伎の財産、また音羽屋にとっても所縁の深い『鏡獅子』を日中友好の場で踊らせていただけることに感謝し、祖父のように気持ちが高揚するのを感じています。

 小さい頃、京劇が大好きで、国立劇場で上演された『孫悟空』の映像を何度も繰り返し見ていました。今回は『覇王別姫』『大登殿』と京劇の代表的な2つの演目が揃っているので、そちらも楽しみです。歌舞伎のもっている身体表現、今の私の演技をどれだけお客様に伝えることができるのかということに緊張感もありますが、肉体芸術は国境をこえると信じているので、公演をとても楽しみにしています。