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五代目中村雀右衛門 襲名披露会見が開かれました


 中村芝雀が五代目中村雀右衛門の名跡を襲名することが決定し、3月24日(火)に都内で発表記者会見が開かれました。
 襲名披露興行は平成28年(2016)3月の歌舞伎座から始まり、6月博多座、7月大阪松竹座、12月京都南座で予定されています。

 この度、先輩方のお許しとお力添えをいただき、父(四代目中村雀右衛門)の名跡であります中村雀右衛門を五代目として襲名させていただくことになりました。父が亡くなり3年が過ぎましたが、本当に身に余ることでございます。これを機に一段と芸道に精進し、雀右衛門の名に恥じぬ立派な俳優になりますよう、がんばって参ります。

 襲名では、父が大切にしておりました“三姫”、ライフワークのように重ねておりました“道成寺物”、小さいときから手取り足取り教えていただいた『藤娘』や、戦後父が女方になって初めて勤めさせていただいた『毛谷村』のお園、京屋に因んだものでしたら『葛の葉』などができればと思っております。名前を継がせていただく上は、京屋の芸というものを発掘させていただき、勤めることができればありがたいと思います。

 父はよく「心を大事にしろ」「もっと気持ちを入れて勤めなくちゃいけない」と申しておりました。これは、自分の中で役の性根というものを咀嚼し、熱い気持ちで役を演じなければお客様には通じない、ということだと思います。父のように、お客様に訴える力をもつ女方の芸というものを、少しでも身につけていくことができればいいなと思っております。

 また、父はとても若々しく、化粧のときに見る背中などは、70歳を過ぎてもピチピチとしておりました。女方は常に若く美しくなくてはいけないというのをモットーとしており、身体を鍛え、新しいものに興味を持ち吸収しようとしていました。私も気持ちを常に若く持ち、いろんな事に挑戦していくと同時に、立役の方がお芝居がしやすいように、この人とお芝居をして良かったと思って頂けるような女方になれればと考えています。