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橋之助、錦之助、児太郎、国生が意気込みを披露~国立劇場 3月歌舞伎公演


 3月国立劇場では 3月歌舞伎公演「梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)-髪結新三-」「三人形(みつにんぎょう)」が上演されます。
 公演に先立ち、記者会見が行われ、中村橋之助中村錦之助中村児太郎中村国生が意気込みを披露しました。

【中村橋之助】
 『髪結新三』には想い出がたくさんございます。父(七世中村芝翫)が菊五郎劇団に在籍していたこともあり、子供の時から食卓を囲んでお酒を飲むと「芝の親父(六代目尾上菊五郎)はこうだった」という新三の話を耳にタコができるくらい聞かされました。
 十七、八の頃には、亡くなった(初世尾上)辰之助のお兄さんが私を可愛がってくださっていて「今度、俺が初役で新三をやるんだよ。お前に勝奴やらせてやるからな」と言われた時には、嬉しくて止めどもなく涙がこぼれてきました。世話物の狂言は初めてでしたから、家にいる時も勝奴になりきって、フットワークよくウロウロしていたのをよく覚えています。
 近年では勘三郎の兄が初役で勤めた時に、忠七を勤めさせていただいて、その月にちょうど中村屋さん(十七世中村勘三郎)が亡くなられたり・・・。その勘三郎の兄とは、まさかやるとは思っていなかった家主まで勤めました。千穐楽の日に勘三郎の兄と二人で握手をして「これから俺が新三をやる時にはお前を家主にするから頼むよ。これからやろうね」なんて言っていたのですが、まさかあの一回限りで終わってしまうとは夢にも思いませんでした。
 それから弥太五郎源七や、忠七も勤めさせていただきました。そろそろ私が新三をやってもいいのかなという時期が来たようにも思います。本当に満を持してという言葉がぴったりの“憧れのお役”です。精一杯勤めたいと思っています。

 (二世尾上)松緑のおじ様の新三というのは白子屋のところ、頭を結うところ、さらにガラッと変わって永代に行って男臭さの匂いがプンプンするようなところ、全てが素敵でした。さらに口綺麗というか、ミントの香りのするような口跡の爽やかさがありました。今度の課題はそこではないかなと思っています。切れ味の良さ、世話物の中の音、そういうものをキッチリ出していきたいと思っています。
 3月は春休みもありますから、高校生や大学生の皆さんも劇場に足を運びやすいと思います。歌舞伎座に比べて国立劇場はお値段もリーズナブルですし、また、大学三年の児太郎や大学一年の国生など、同じ年頃の若手が活躍していますので、是非とも学生の皆様にも観ていただきたいと思っています。


【中村錦之助】
 この度、弥太五郎源七を初役で勤めさせていただきます。次に『髪結新三』に出ることがあるのであれば、忠七かなと思っていましたが、いつの間にか弥太五郎源七になってしまいました(笑)。今は大変楽しみにしております。橋之助さんがなさる新三に対して、どこまで弥太五郎源七ができるか、今から一所懸命勉強して勤めたいと思っております。『三人形』では、若衆を勤めます。若い児太郎さん、国生さんの二人にエネルギーをもらいながら、押し入れの奥底にずっと仕舞い込んでいた人形が出てきたように思われないように若々しく勤めたいと思っております。


【中村児太郎】
 お熊を勤めるのは3度目になります。初役の時は三津五郎のおじ様で、二度目は幸四郎のおじ様でした。三津五郎のおじ様から「娘は忘れないけど色気が必要。“リンゴが熟れる”ように・・・女方をやるうえでは色気が必要、でも、変な嫌らしさはいらないよ」とアドバイスしていただきました。三津五郎のおじ様や幸四郎のおじ様に教えていただいたことを大事にして、一からお熊に向き合って作り直していきたいと思っています。『三人形』では傾城を勤めます。しっかり稽古をして踊り込み、三人で一所懸命力を合わせて勤められたらなと思っております。


【中村国生】
 『髪結新三』の勝奴と『三人形』の奴を勤めさせていただきます。私は19歳ですが、父(中村橋之助)が勝奴を勤めたのは17歳です。父に追いつけるように、そして生意気なようですが、父親の勝奴を抜けるように頑張りたいと思っています。私も将来は、父や勘三郎のおじ様のように新三を勤めることの出来る俳優になりたいので、そういう新三への憧れの目を持つ勝奴を勤めたいと考えています。『三人形』の奴は、錦之助のおじ様と児太郎の兄と一緒に出させていただきます。二人の若いところを錦之助のおじ様に引っ張っていただきながら頑張って行きたいと思っています。