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新春浅草歌舞伎 出演者が意気込みを披露


 若手俳優の登竜門として35年目を迎える「 新春浅草歌舞伎」が、今回も正月の浅草公会堂で開催されます。
 尾上松也中村歌昇坂東巳之助中村種之助中村米吉中村隼人中村児太郎と、全員が20代の花形7人が顔を揃え、若さ溢れ、エネルギーが漲る熱い舞台が期待されています。
 公演に先立ち、出演者が製作発表記者会見を行い、意気込みを語りました。

【尾上松也】
 新春浅草歌舞伎の若手公演は、長年先輩方が努力をして僕たちの世代まで受け継いでくださった公演です。私も今回で3度目の出演になりますが、ここに至るまでは決して平たんな道ではなかったと伺っております。
 今回はさらに世代が変わり、ここにいる俳優全員が20代、僕が唯一の昭和生まれ、後はみな平成生まれで、こうした会見もなかなかありません。また新たなスタートを切るという気持ちを持って、多くのお客様に観ていただき、この世代ならではの歌舞伎のおもしろさを楽しんでいただきたいと思っています。

 『仮名手本忠臣蔵』の勘平は菊五郎のお兄さんに、『一條大蔵譚』の鬼次郎は梅玉のお兄さんにご指導いただきます。「五・六段目」の勘平は思い入れも強く、菊五郎のお兄さんの格好良さに憧れながら、いつかさせていただけたらと思っていました。どちらも児太郎君が相手を勤めてくれるのも楽しみです。


【中村歌昇】
 今回3度目の浅草歌舞伎です。諸先輩方が築き上げてくださった舞台を受け継ぐ事に感謝し、皆様に恩返しできるように勤めなければいけないと思っています。出演者が一丸となって、それぞれがしのぎを削り、ライバル視しながら勤めることによって昇華する舞台をお客様に見ていただきたいと思っています。

 『一條大蔵譚』は播磨屋にとって大切な作品の一つで、2年前に一度、国立劇場の研修発表会で勤めさせていただいた狂言です。その時は、いつか1ヶ月やりたいという気持ちを持ちながら、一生懸命勉強させていただきました。今回も吉右衛門のおじさんに教えていただきます。播磨屋の芸を継承する、そういう意味でも自分にとって大きなターニングポイントの一つになる公演だと思っています。


【坂東巳之助】
 今日持参したこのバトン、これは2年前の浅草歌舞伎に出演した折に、猿之助のお兄さんから「次からは頼んだぞ!」と託していただいたバトンです。今年の浅草歌舞伎には猿之助のお兄さんもご出演でしたので、初日に一度お返ししたものを、千穐楽に改めていただいた、気持ちの込められたバトンです。そのバトンを握ってとうとう走り出せる、来年スタートを切ることができることを、心から嬉しく思っています。

 『独楽売』は坂東流に所縁のある珍しい踊りで、10年程前に舞踊会で復活として踊らせていただいたのですが、そのときは結果に打ちひしがれ、歌舞伎を辞めようかという気持ちになった程でした。この機会に、改めてその踊りに挑戦します。米吉君と種之助君と3人で、お正月にふさわしい華やかな踊りにしたいと思っています。お正月公演ですから、楽しんでいただく気持ちを忘れずに、一所懸命に取り組みたいと思っています。



【中村種之助】
 去年は浅草歌舞伎に出演されていた猿之助のお兄さんや、今までご出演なさって来られた海老蔵のお兄さん、勘九郎のお兄さん方が、お正月に歌舞伎座や新橋演舞場に出演なさっていている姿を見ると、自分たちもそうならなくてはいけないと思いますし、「闘って来い!」と言われているような気もします。若いからこそできる、強いエネルギーを持って、全身全霊で挑戦する。「挑む」気持ちを忘れずに勤めたいと思っています。


【中村米吉】
 4年連続の浅草になります。先輩方と、種之助さん、隼人さん、児太郎さんという同い年の4人で力を合わせ、毎日悔いの残らないように勤めたいと思っています。第1部では『一條大蔵譚』の常盤御前と『独楽売』、第2部では『俄獅子』の芸者と三役を勤めさせていただきます。『一條大蔵譚』は、この間ご結婚を発表された歌昇さんの奥様のお役です。精一杯勤めたいと思います。



【中村隼人】
 浅草歌舞伎は若手の登竜門ですが、今回はこの20代の7人で勤めるということで、今から期待と不安でいっぱいです。第1部は『春調娘七種』で踊りを、第2部は『仮名手本忠臣蔵』の千崎弥五郎と『猩々』、お芝居と踊りを一本ずつ勉強させていただきます。普段、できないような大きなお役を勤めさせていただくことに感謝しながら、毎日全力で臨んでいきたいと思います。



【中村児太郎】
 この浅草歌舞伎には毎年出たいと思っていましたが、今回その思いが叶い、初めて出演させていただくことになりました。『春調娘七種』では静御前、『一條大蔵譚』ではお京、『仮名手本忠臣蔵』ではおかる、と全て松也兄さんの相手を勤めさせていただきます。一番の先輩と後輩という立場ですが、一所懸命勤めたいと思っております。